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馬狼くんの突拍子もないシュートに、驚きが消えない。
これで同点。このままあと1点獲れれば……。
どんどん期待が高まってくる。ブルーロックが勝つ未来を想像して。
試合もあと15分。その間に1点獲れればブルーロックは勝てる。
ーー
今回はブルーロックが守備。
冴くんが最初に動き出した。
それも、今までの動きが嘘かのように、格段にスピードアップしている……!
何人も冴くんからボールを奪おうとするも、あまつさえ、凛くんさえ躱していく。
改めてしっかりと見ても、冴くんのプレーの仕方は昔と変わらない。
それはまるで、淡々とこなすように丁寧に、美しくーー。
思わず見とれてしまう。初めて見たあの時みたいに……。
冴くんは綺麗な弧を描くように士道くんへパスを出した。
冴くんの動きは誰にも予想できないーー、そう思ったとき。
士道くんの横に凛くんが現れた。
士道くんは勢いで凛くんの顔を蹴ってしまう。
鈍い音に、思わず息を呑む。後で処置しないと……。
同時に、彼の動きに少しの違和感を覚える。
何だか今の凛くんの動きは初めて見たようで……。
まるで見た事のない人がいるようだ。
ともかく、凛くんの動きはきっと強力になる。
そう感じた。
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作者名:メビウス | 作成日時:2023年9月29日 23時