感情を失った手毬花 5【ブルーロック】 (ページ8)

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あの短時間で、雪宮くんのシュートを止める動きができたってことは、オリヴァさんも同様に“FLOW”に入っていた？

だから雪宮くんの死角からのシュートも止めることができたのか……？

オリヴァさんは今までより段違いのスピードで相手の位置に付く。
読みと反応をフルスピードで考え、動いているのだろう。

それは凛くんも例外では無い訳で。

凛くんの動きを呼んでボールを奪った。そのボールは誘われるように、彼のーー、冴くんの元に来る。

U-20の、カウンター攻撃が始まった。

それに反応するように、ブルーロック側も、守備に付く。

特に玲王くんは、士道くんを止めるためにブロックする。

そのお陰か、我牙丸くんが守るべき場所は限られた。

我牙丸くんは下に来ると判断したのだろう。が、士道くんの打ったボールは無慈悲に上側に向かう。

それでも……、我牙丸くんはまだ諦めていなかった。

そのまま両手を床に着き、大きく脚を逆立ちをするように振り上げたのだ。

凄いバネだ……、と改めて感心する。

我牙丸くんの止めたボールに向かって何人かが向かう。

それに1番速く着いたのは玲王くんで。

彼はーー、今まで隣にいた、かつての相棒のように。

凪くんの、トラップ技を完璧にコピーした。

玲王くんの撃ったボールは、凪くんが取る。

それまでの一連の綺麗な流れに深い息が出た。