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それから士道くんが攻めに行くも、玲王くんによって止められる。
それでも、士道くんは“ブルーロック”で戦ってきた1人だ。
GKの我牙丸くんがヘディングして止めた、のに。
なのにその場で士道くんがシュートのスタンスを取った。
ゴールまでかなりの距離があるのに。
彼は、その場でボールを蹴った。
誰もが予想して動ける状態じゃなかった。
士道くんの撃ったボールは、まるで一種の奇形のようにーー、ゴールネットを叩きつけた。
人々の動揺の嵐の中、ただ1人、冷静に呟く。
「挑戦的集中 この試合で最初に“FLOW”に至るのは、お前だったかーー……。 士道龍聖」
兄さんの言葉に私は自然と口元を押さえた。
凄いなんて言葉じゃ表現しきれないーー、正に“恐怖”を感じるほどの衝撃。
見ているだけの私が吐き気を感じるほどだから、戦っている皆はもっと酷いだろう。
この1点によってU-20が逆転。その事実は余りにも酷だった。
帝襟さんが兄さんに指示を出すよう促すも、「
その言葉に帝襟さんが必死に抗議していると。
「絵心さん……！！」
聞き慣れた声、潔くんが駆け寄ってきた。
潔くんは、まだ光を失わない両目で勝つ方法を聞く。
それに対し、兄さんはーー。「バカか、お前ら。“
そう言った。
「胸を張れ。“
……そうか、ここはあくまで選手を変える為の場所。
私がどうこう言っても変わらないんだ。
知らずに、爪が服の布に食い込む。息が、しづらくなる。
そのとき、耳に届いたのは。
「…………知るかよ……。どーだっていいんだよそんなこと」
潔くんのそんな呟きだった。
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作者名：メビウス | 作成日時：2023年9月29日 23時
