感情を失った手毬花 5【ブルーロック】 (ページ4)

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二子くんの足首の治療を行っている最中に、試合が再開する音が聞こえた。

まず動き出していたのは氷織くん。

彼は唯一控えめなプレイだけど、冷静に状況を判断してパスを回すことができる。

適性試験の試合を見ていい動きをしていたと思う。

今も、彼は正確に周りを見て、凛くんのーー、奥にいる凪くんにパスを出した。

凪くんの前にも敵が現れるも、空間認識能力によって動いている潔くんにボールが渡る。

彼によってシュートが決まるーー、かと思いきや。

『……っ！』

しっかりと“視ていた”人物ーー、オリヴァさんが先にボールを蹴った。

潔くんの空間認識能力も強力だけど、相手もかなりの力だ。

一瞬で敵側にカウンターが回り、冴くんがボールを持った。

冴くんは変わらず綺麗なフォームで向こうの、士道くんの元にボールを蹴る。

ここまでなら、ボールは士道くんに渡るーーが。

士道くんの向かう1歩先に、彼はーー、玲王くんは待っていた。

その動きは何だか見覚えのあるようで。
何かあったか、記憶を掘り返す。

『ーーあ』オリヴァさんが最初に止めた時の動きと一緒なんだ。

まさか、オリヴァさんの動きを真似ーー、いや、“コピー”した？

玲王くんの初めて見る行動に驚いて目を見張る。

器用な彼だからこそできた芸当……、なのだろうか。

私の中にまた1つ、興味心が芽生えた。