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顔を見なくても分かる長身……、凪くんがいるのが分かる。

私は大きいゲーム機の後ろから様子を見つつ隠れていた。

皆の話によれば、今から凪くんを“シメにいく”そう。

私は後ろで隠れていればいいらしい、けど……。

「おいそこのゲーム廃人面倒臭王子」

そんな声と同時に、烏くんと蟻生くんの2人が凪くんを拘束した。

烏くんに首に腕を回され、凪くんの喉から「うぎょ」とくぐもった声が出ている。

いつもの癖で、凪くんの苦しそうな声に思わず動き出しそうになる。

危な……。慌てて足を踏ん張ってその場に留まる。

と、その時一瞬だけ後ろを振り返った凪くんと目が合った……気がした。

え……、今私の方を見た……。気のせい?

凪くんは潔くん達の方を見ながら口を開いた。

「……Aは?Aも誘ってたでしょ」

唐突に私の名前が出てドキ、となる。

凪くんの問いに玲王くんが答える。

「凪があんまり待たせるから帰ってったぞ。もしかしたら一生口聞いてくれないかもな」

さらりとさも本当のように嘘を吐く。

え、そんなこと言っちゃって大丈夫?と心配になる。

凪くんの反応はというと。

「……」何か思案するように黙った後。

椅子から降りて歩き出した。ーー私が隠れている方に。

後ろから呼び止める声も無視してズンズンと進んでいき……。

『……あ』「やっぱいた」

ゲーム機に手を置いた凪くんが顔を覗かせた。
呆然となる私を簡単に担ぎ上げ、皆の方に戻る。

そして後ろから凪くんの不服そうな声が響いた。

「Aいるじゃん。嘘つきー」

「……嘘吐かれたくなかったらあんま自分勝手なことはするなよ」

潔くんが苦笑いを浮かべてそう言ったので、私は改めて彼に同情する。

潔くんって凪くんだけに限らず、色んな人の緩衝材を努めてるな……。

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作者名:メビウス | 作成日時:2023年9月29日 23時

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