感情を失った手毬花 5【ブルーロック】 (ページ26)

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【Aside】

えっと、地図によると確かこっち、かな。

私はスマホを確認しながら、歩を進める。

先程潔くんから連絡来たから早く合流しないと……。

早る気持ちを抑えながら辺りを見渡した。

いつもジャージを着てたから、アンリさんに選んでもらった服はあまり着慣れていない。

髪もアンリさんに言われるがまま美容院でセットしてもらった。
ら
アンリさんには感謝しかないな、と優しく微笑む女性の姿を思い浮かべながら感じた。

スクランブル交差点で信号が青になっているのを待っていると。

トントン、といきなり肩を叩かれた。

え……、誰？恐るおる後ろを振り返ると。

そこには、全く知らない人が数人立っていた。

ーー見覚えない、よね。

私はどうすればいいか分からず黙っていると。

「……やっば。可愛すぎ」「声掛けて正解じゃんお前」

何やらコソコソと話している。

そして、いきなり腕を掴んでくると言った。

「ね、今1人？俺らと遊ぼーよ」

粘着質な甘ったるい声。流石の私も脳に危険信号が走る。

『……っ！』慌てて目の前の人の手を振り払うと、その場から駆け出した。

「え、ちょっと何で逃げんのー」

後ろからそんな声がして、同時に足音が聞こえてくる。

え、な、何で……、ついてくるの？知り合いでもないのに……！

私の頭はそんな疑問で埋め尽くされていく。

途中、何か言えばよかったんじゃ……、という考えが浮かぶも、時すでに遅し、だ。