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「え……?俺らで、って……」
思わず聞き返すと、氷織はゆっくりと説明してくれた。
「えっとな、明日から2週間、僕ら選手は
それなら、その間で、Aちゃんと過ごす時間を作ろう、って言いたかったんや」
マネージャーと、過ごす時間を……?
その言葉の意味を噛み締める。
「……俺は、いいと思う」はっきりと、断言するような声に、俺は目を見開く。
その声は千切のもので、千切は真剣な目をしている。
「俺は、Aから優しい言葉を貰った。それがあって、今の俺がいるんだと思う。だからーー、
少しでもAの力になりたい」
そんなことを千切が言うのは少し意外に思った。
でも、その気持ちはよく分かる。
「俺も、賛成。マネージャーには本当にお世話になっているから……」
俺の言葉を聞き、氷織もこくりと頷く。
「ほんなら、どの順でAちゃんと過ごすのか決めよか」
ーー
3人で話し合った結果、千切、俺、氷織の順になった。
氷織は関西の方だから、最後の日が都合がいいそう。
不自然にならないように、間隔を空けて誘う。
……これで、マネージャーが話してくれたらいいけど。
一抹の心配と不安を抱えながら、俺はそれだけを願った。
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作者名:メビウス | 作成日時:2023年9月29日 23時