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怠い体を必死に動かしながら廊下を移動する。

本当ならブルーロックの皆がいる食堂に行きたかった……けど。

(こんな顔で行ったら絶対心配されるよね……)

手洗い場で自分の顔を見た時、そう感じた。

余りにも吐き気がして、手洗い場に駆け込んだのだが。

目の周りは疲れたように赤くなっているのに、肌は血の気が抜けたかのように青白かった。

ストレスや緊張による筋肉の萎縮だと思うが……。

兎に角、自分の部屋に戻って少し休めば元通りになるだろう。

そう思い、自室へと向かう。と、その時。

「マネージャー……?」

どこからか、声がした。

思わずビクリと体が反応する。
恐る恐る声のした方を見ると。

『……い、潔、くん……』

皆と食堂に向かったはずの彼がそこにいた。

彼はキョトンとした様子で私を見詰めてくる。

「マネージャー、どうしてここに?」

その問いに私は無理やり笑顔を浮かべて答える。

『あ……、えっ、と、見回り、かな。今終わったところ……。ーー潔くんは?』

聞き返すと、彼はさらりと答える。

「ああ、俺は凛と話してた。今から食堂行くけど……」

そこまで言って、彼は微かに眉を顰めた。
私の顔をじっと見詰め、どこか訝しげに。

「……どっか具合とか悪い?」『……え、何で……?』

いきなり的を突くような言葉に上手く口が回らなくなる。

「いや、何かいつもより表情がぎこちないな、って思って」

自然と指が手に食い込む。少しも感情を出さないように。

『……うんん、大丈夫。私は何ともないよ』

フルフルと首を振った後、彼に『夕食ちゃんと食べてね』と言い残して小走りにその場を離れる。

後ろから何かを言う声が聞こえるが、私は一切立ち止まることなく歩いていた。

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作者名:メビウス | 作成日時:2023年9月29日 23時

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