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控え室でも、皆の熱は冷めていないようで、試合に出れた人も出れなかった人も、思い思いに叫んでいる。
更に、帝襟さんは嬉しさのあまりか涙ぐんでしまっている。
でも正直……、私も同じくらい嬉しい。
と、タイミングよく
そして全員の前で今日の結果を淡々と述べていく。
やっぱり凛くんの覚醒はかなり大きかったようで。
そして彼に対応するように潔くんも良い動きを見せた。
同時に、これからの課題も提示する。
今回は潔くんが主役ではあったけど、他の選手も平等にチャンスはあると。
しみじみとそう思っていると、帝襟さんがいきなりパンと両手を合わせた。
「はい!そして今日は勝利ボーナス特別メニューとして!食堂でいつもと違う豪華料理が食べ放題です!私からはこれくらいしか出来ないけど……!!今日は皆でお祝いしましょー!!」
“これくらいしか”とは言ったけど、帝襟さんは本当によく頑張っていると思う。
私も彼女を見習わないとな……。そんなことを考えていると。
ブブッといきなりポケットから音がした。
慌てて確認すれば、音の正体はスマホだった。
画面には“非通知”と書かれている。
電話……?誰からだ……?少し不審に思い、私は廊下に出た。
……この時私は、早く気付けばよかったのかもしれない。
自身のーー嫌な予感に。
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作者名:メビウス | 作成日時:2023年9月29日 23時