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涼介side
あれから数日経った今でも、大ちゃんが俺やひかのことを思い出すような前兆は見られない。
ただぽつんと残されたのは、八乙女先生、山田くん
というよそよそしい呼び方だけだった。
それでもだんだんと俺にもひかにも慣れてきてくれていてはいて、普通に話してくれるようになった。
・
今日は朝から大ちゃんが熱を出した。
久しぶりの高熱で本人も頬を赤くし、息を上げている。
大貴「ハァッ………うぅ、ハァ」
苦しい息遣いが彼の辛さを物語っていた。
涼介「大ちゃん辛いね、もうすぐでお薬きいてくるって。」
変えても変えてもすぐに緩くなる冷やしタオルを水につけて絞り、また大ちゃんのおでこに乗せた。
大貴「ご……めん、やまだ、くん、……」
山田くん、か。
なんてこと思いつつ、
涼介「んー?謝らないで?俺がこうしてたいの。」
その後は大ちゃんの口からは何も発せられなかったけど少し落ち着いて眠ってくれた。
ひかから聞いた話だと、大ちゃんの腫瘍は既に沢山の場所に転移し、彼の体を蝕んでいるという。
彼が口にしないだけで、痛みも相当感じているだろうって。
ねぇ大ちゃん。
俺は大ちゃんの力になれてる?
ちゃんと支えられてる?
大ちゃんが一番辛いのがわかっていながら
好きだよって言えば大好きって返ってきて、
大ちゃんってよべば涼介って返ってきていた
そんな日に戻りたいな、なんて
思ってしまう俺はきっとダメダメだな。
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なつめろ(プロフ) - 新作とともに読ませていただきました。本当にどちらも素晴らしい作品で涙が止まりませんでした。新作の方で涼介くんも前を向いて頑張っていることが知れてなんだか嬉しい気持ちになりました。これからも応援しています (2020年1月8日 0時) (レス) id: 23d01b0f83 (このIDを非表示/違反報告)
凪(プロフ) - はっちゃんさん» そのような感想を頂けると書いたかいがあります、、( ; ; )最後まで読んでくださりありがとうございました! (2020年1月7日 17時) (レス) id: 1693d0e47d (このIDを非表示/違反報告)
はっちゃん - 感動する小説やドラマ等を観ても泣きたくても泣けなかった私ですが、この作品ではすっごい大号泣しました…本当に面白くて泣けました。執筆お疲れ様でした。 (2020年1月7日 14時) (レス) id: 0d57913dc4 (このIDを非表示/違反報告)
ADaiDaijump(プロフ) - 感動です( ; ; ) (2019年12月26日 15時) (レス) id: 89dbc58fb6 (このIDを非表示/違反報告)
まちゃ(プロフ) - 初めて読んだ時はまさかこうなるなんて思ってなかったので、実際の終わり方凄く感動して泣きました!あんなに元気だったんだよなぁって思いますよね。とても素敵な作品をありがとうございました!楽しませてもらいました! (2019年11月15日 21時) (レス) id: 5d53199746 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あむ | 作成日時:2019年4月11日 23時