ヒ カ リ【ar×ym】-2nd-

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涼介side


ひかに大ちゃんをよく見ててあげてって言われて2時間が経った。




さっきまで普通に話をしてたんだけど、さっきから顔をしかめることが多くなった大ちゃん。





涼介「大ちゃん？頭痛い？」




「ひかよぼっか。」





大貴「……いいっ。だいじょぶなの。」





涼介「ほんとに……？」




それからさらに1時間後。




大ちゃんの額には汗が滲み始め、目を瞑って必死に耐えているようだった。



涼介「大ちゃん？わかる？ねぇっ！」



こんなことならさっきひかを読んでおけばよかった。



俺が焦ってナースコールを押した瞬間だった。





大貴「いたぁぁぁぁいっ！！！！」




俺の鼓膜を震わせるほどの叫び声が病室に響いた。




大貴「い、たっ……いたいっいたいよ、」




身を丸くする大ちゃんの布団を剥ぎ取ると、大ちゃんは左手でお腹の部分をぎゅっと抑えていた。




涼介「大ちゃん、お腹いたいの？大ちゃんっ」




大ちゃんの叫び声は増すばかりで、病室の外も野次馬の人たちが何事かとざわざわし始めた。






大ちゃんは吐きそうなのか背中を波打たせている。






このまま吐くといけないから、大ちゃんの顔を横向きに素早く向けた。





その瞬間、




大貴「ゲホッ……ゴホ、ゴホッ、おぇ、」





大ちゃんの口から、作り物なのではないかと思うほどに真っ赤な血液が真っ白なシーツを染めた。





涼介「大ちゃんっ！！！」






意識を手放して、ドサっと力なく下に向かって落ちた右掌からも赤い血液がとくとくと、ゆっくり流れ落ちていた。









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