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大貴side
カーテンから差し込む朝日で目を覚ました。
俺の足元に伏せて寝ているこの人は、涼介。
俺の名前は有岡大貴。
大丈夫だ。今日もちゃんと覚えてる。
最近は、毎朝こうやって忘れてないことを確認して安心感を得る。
あれから俺は涼介に光先生のことを色々聞いた。
俺が小さい頃からずっと診てくれている先生だということ。
ひか、と呼んでいたこと。
医者と患者以上の強い絆で結ばれていたこと。
聞けば聴くほどに、俺はどうして俺の半分を占めてると言っても過言ではない人を忘れてしまったんだろうって。
頑張って思い出そうと記憶を辿っても、頭の中は真っ白で。
しばらく頑張ると頭痛がしてくる。
涼介「……大ちゃん。無理しないで。ゆっくり思い出そう?」
俺が顔を歪めたのにすぐ様気がついて、ベッドのリクライニングを倒し俺を寝かせてくれた。
俺はいつか涼介の事も忘れてしまうのかな。
可愛く笑った笑顔も。
大丈夫だと励ましてくれる声も。
とても綺麗な彼の左目に宿った深い赤色も。
大貴「涼介……。俺涼介のこと忘れたくないよ。」
涼介「できることなら、俺も忘れて欲しくない。」
そこから少し沈黙が流れ、涼介が再び口を開く。
「…でもね?大ちゃん。大ちゃんが俺のこと忘れちゃっても、俺が大ちゃんの隣にいるのは変わらないからね。そんでもっかい思い出してもらう!!」
涼介は冗談なんかじゃなく、真面目に言っていた。
大貴「……涼介。ギュってして。」
俺の中の涼介がこぼれ落ちないように。
腕を広げてくれた涼介の胸元に顔を埋めた。
真っ暗な視界で、香る涼介の香りが俺の心を落ち着かせた。
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なつめろ(プロフ) - 新作とともに読ませていただきました。本当にどちらも素晴らしい作品で涙が止まりませんでした。新作の方で涼介くんも前を向いて頑張っていることが知れてなんだか嬉しい気持ちになりました。これからも応援しています (2020年1月8日 0時) (レス) id: 23d01b0f83 (このIDを非表示/違反報告)
凪(プロフ) - はっちゃんさん» そのような感想を頂けると書いたかいがあります、、( ; ; )最後まで読んでくださりありがとうございました! (2020年1月7日 17時) (レス) id: 1693d0e47d (このIDを非表示/違反報告)
はっちゃん - 感動する小説やドラマ等を観ても泣きたくても泣けなかった私ですが、この作品ではすっごい大号泣しました…本当に面白くて泣けました。執筆お疲れ様でした。 (2020年1月7日 14時) (レス) id: 0d57913dc4 (このIDを非表示/違反報告)
ADaiDaijump(プロフ) - 感動です( ; ; ) (2019年12月26日 15時) (レス) id: 89dbc58fb6 (このIDを非表示/違反報告)
まちゃ(プロフ) - 初めて読んだ時はまさかこうなるなんて思ってなかったので、実際の終わり方凄く感動して泣きました!あんなに元気だったんだよなぁって思いますよね。とても素敵な作品をありがとうございました!楽しませてもらいました! (2019年11月15日 21時) (レス) id: 5d53199746 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あむ | 作成日時:2019年4月11日 23時