episode15 俺にできる事 ページ22
涼介side
結局俺は、泣いてるひかを目の前にしたら足がすくんでそのまま病室に戻ってきた。
ドアを開けると、頭を自分の拳でガンガンと殴りつける大ちゃんの姿があった。
さっきまでぐっすり寝てたのに。
涼介「……ちょ！大ちゃんだめだよ！！！」
大貴「いやぁ……なんでぇ……ふぇぇ」
俺が咄嗟に拳を手のひらで覆って背中をさすってあげると、すぐに力は緩み、またポロポロと涙を流した大ちゃん。
涼介「大丈夫だよ。大丈夫。どしたの。」
大貴「おれ、おぼえてないといけない人、わすれ、ちゃって……」
「おれに、とってたいせつなひとだったんだよね？すごくかなしいかおしてた、。」
そういった大ちゃんの瞳はまっすぐと動かない右手を見つめていた。
大貴「なんでぇ！！！なんでおもいだせないのぉっ！！！」
涼介「大ちゃんは何も悪くないからね？自分を責めないで。」
大貴「ごめんな、さぃ……」
そう言って俺の背中にゆっくり手を回した大ちゃんの手は小刻みに震えていた。
いつからだろう。
大好きな大ちゃんの笑顔が見られなくなったの。
太陽が雨雲に隠されるようにどんどん暗がりが増える。
涼介「大丈夫。もう一回、一から知ればいいんだよ。」
俺が背中をずっとさすってあげていたら耳元で寝息が聞こえたからゆっくりとベッドに寝かせた。
まだ少し残る、大ちゃんの頬の涙を俺の袖口で拭った。
涼介「俺のことは忘れないでよ。大ちゃん。」
そんなわがままな願いは誰にも届かず消えた。
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なつめろ(プロフ) - 新作とともに読ませていただきました。本当にどちらも素晴らしい作品で涙が止まりませんでした。新作の方で涼介くんも前を向いて頑張っていることが知れてなんだか嬉しい気持ちになりました。これからも応援しています (2020年1月8日 0時) (
レス) id: 23d01b0f83 (このIDを非表示/違反報告)
凪(プロフ) - はっちゃんさん» そのような感想を頂けると書いたかいがあります、、（ ; ; ）最後まで読んでくださりありがとうございました！ (2020年1月7日 17時) (レス) id: 1693d0e47d (このIDを非表示/違反報告)
はっちゃん - 感動する小説やドラマ等を観ても泣きたくても泣けなかった私ですが、この作品ではすっごい大号泣しました…本当に面白くて泣けました。執筆お疲れ様でした。 (2020年1月7日 14時) (レス) id: 0d57913dc4 (このIDを非表示/違反報告)
ADaiDaijump(プロフ) - 感動です（ ; ; ） (2019年12月26日 15時) (レス) id: 89dbc58fb6 (このIDを非表示/違反報告)
まちゃ(プロフ) - 初めて読んだ時はまさかこうなるなんて思ってなかったので、実際の終わり方凄く感動して泣きました！あんなに元気だったんだよなぁって思いますよね。とても素敵な作品をありがとうございました！楽しませてもらいました！ (2019年11月15日 21時) (レス) id: 5d53199746 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あむ
| 作成日時：2019年4月11日 23時
