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大貴side
本当は分かってた。
自分の病状が思わしくないことくらい。
それでもなんとかにげていたくて、笑ってみせた。
そしたらひかは笑ってくれた。よかったんだこれで。
ひかは病室を出て行き、俺と涼介で二人きりになった。
なんだか気まずい雰囲気が漂い、いつもの明るい会話はない。
大貴「俺あとどんくらいなんだろ。涼介といっぱい楽しいことしなきゃな！」
俺は自分自身で自分の感情を隠すのは得意だと思っていたし、実際、ひかだって信じ込んだ。
涼介「……………わるい。」
大貴「………え？」
涼介がうつむきながらぼそぼそと話し始めた。
俺は聞き取れず、聞き返す。、
涼介「今の大ちゃんはかっこ悪いよ！！！」
涼介は突然大声をあげ、俺に掴みかかってきた。
涼介「なんで！！なんで俺の前でまで笑うの！？」
「俺には本当の気持ち吐いてくれると思ってたのに！いつもはかっこいい大ちゃんも今はかっこ悪い！！！」
そこまで早口で言い切ると俺にしがみついて、わんわんと声をあげ泣き始めた。
大貴「りょ……うすけ。」
俺は左手をそっと涼介の背中に回した。
すると涼介が俺を抱きしめる力が強くなって、俺の中でプツンと何かが切れた。
大貴「いやだぁ……いやだよっ…しに、たくないぃ……」
涼介は俺の背中をトントンとリズムよく叩いてくれていた。
大貴「おれのっ……おれのみぎてはどこに行っちゃったのぉ……なんで、なんでだよっ…」
「手術したのにぃっ………うわぁぁぁん」
涼介「大丈夫。大丈夫だからっ。大ちゃんさおれが死なせないからっ……」
どうして俺だったんだろう。
死を待つしかないという一択に絞られた選択肢はあまりにも残酷で苦しくて悔しかった。
この時、ちょっとだけ。ほんのちょっとだけ、ひかを恨んだ。
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なつめろ(プロフ) - 新作とともに読ませていただきました。本当にどちらも素晴らしい作品で涙が止まりませんでした。新作の方で涼介くんも前を向いて頑張っていることが知れてなんだか嬉しい気持ちになりました。これからも応援しています (2020年1月8日 0時) (
レス) id: 23d01b0f83 (このIDを非表示/違反報告)
凪(プロフ) - はっちゃんさん» そのような感想を頂けると書いたかいがあります、、（ ; ; ）最後まで読んでくださりありがとうございました！ (2020年1月7日 17時) (レス) id: 1693d0e47d (このIDを非表示/違反報告)
はっちゃん - 感動する小説やドラマ等を観ても泣きたくても泣けなかった私ですが、この作品ではすっごい大号泣しました…本当に面白くて泣けました。執筆お疲れ様でした。 (2020年1月7日 14時) (レス) id: 0d57913dc4 (このIDを非表示/違反報告)
ADaiDaijump(プロフ) - 感動です（ ; ; ） (2019年12月26日 15時) (レス) id: 89dbc58fb6 (このIDを非表示/違反報告)
まちゃ(プロフ) - 初めて読んだ時はまさかこうなるなんて思ってなかったので、実際の終わり方凄く感動して泣きました！あんなに元気だったんだよなぁって思いますよね。とても素敵な作品をありがとうございました！楽しませてもらいました！ (2019年11月15日 21時) (レス) id: 5d53199746 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あむ
| 作成日時：2019年4月11日 23時
