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涼介side
ひかが大ちゃんを大切に思うからこそ言えないのに、俺は怒鳴って責め立てた挙句、こうやって逃げてきてしまった。
逃げてるのはどっちだよ、ってな。
俺が服を掴んだ時のひかの悲しそうな顔が頭から離れない。
どうにかかき消したくて頭を左右に振ってみるけど無理みたい。
俺が足を進めた先は大ちゃんが眠るICU。
大ちゃんは相変わらず機械に繋がれて弱々しく眠っている。
寝ている姿をみるだけで、痩せたなあとつくづく思う。
大ちゃんのベッドの脇に椅子を持ってきて座り、大ちゃんの真っ白で細い手をとった。
涼介「ねぇ……大ちゃんいないと無理だよ。早く目を開けて、大丈夫って笑ってよ……」
俺のおでこに大ちゃんの掌を当てるとひんやりと冷たくて、興奮していた俺の熱を冷ますようだった。
その時だった。
俺の握った手をピクリと動かしたかと思えば、顔を歪め、大きく痙攣し始めた大ちゃん。
彼に繋がれたモニターから異常を示すアラーム音が響き渡り、すぐさまナースと医師が姿を現した。
看護師「涼介くん！ちょっと下がっててね〜」
看護師の人が俺を大ちゃんから引き剥がそうと、手を掴んできた。
でも俺はこの手を離したら、大ちゃんを失ってしまうような気がして必死にしがみついた。
看護師「涼介くん！？大丈夫！すぐ終わるからね、！お願い！」
涼介「いやだっ！やめてよ！！」
俺自身も何がなんだか分からずただ泣き叫んだ。
俺は次第に呼吸の仕方も曖昧になってきて、視界がぼやける。
すると後ろからふわっと暖かい空気に包まれた。
「涼介〜、ゆっくり息してね？ほら、すーはーっ、」
声の主はひか。俺は耳元でひかに囁かれた途端体の力がふっと抜け、ひかに抱きかかえられた。
光「今のうちに処置お願いします。」
過呼吸の俺を抱きながら他の医師に指示を出すひかの声を最後に俺の意識は途絶えた。
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なつめろ(プロフ) - 新作とともに読ませていただきました。本当にどちらも素晴らしい作品で涙が止まりませんでした。新作の方で涼介くんも前を向いて頑張っていることが知れてなんだか嬉しい気持ちになりました。これからも応援しています (2020年1月8日 0時) (
レス) id: 23d01b0f83 (このIDを非表示/違反報告)
凪(プロフ) - はっちゃんさん» そのような感想を頂けると書いたかいがあります、、（ ; ; ）最後まで読んでくださりありがとうございました！ (2020年1月7日 17時) (レス) id: 1693d0e47d (このIDを非表示/違反報告)
はっちゃん - 感動する小説やドラマ等を観ても泣きたくても泣けなかった私ですが、この作品ではすっごい大号泣しました…本当に面白くて泣けました。執筆お疲れ様でした。 (2020年1月7日 14時) (レス) id: 0d57913dc4 (このIDを非表示/違反報告)
ADaiDaijump(プロフ) - 感動です（ ; ; ） (2019年12月26日 15時) (レス) id: 89dbc58fb6 (このIDを非表示/違反報告)
まちゃ(プロフ) - 初めて読んだ時はまさかこうなるなんて思ってなかったので、実際の終わり方凄く感動して泣きました！あんなに元気だったんだよなぁって思いますよね。とても素敵な作品をありがとうございました！楽しませてもらいました！ (2019年11月15日 21時) (レス) id: 5d53199746 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あむ
| 作成日時：2019年4月11日 23時
