#172 莉「皆怒らせたっていうか...俺がキレてただけだけど」 ページ37
ころんside
土曜日。僕は約束の数分前にさとみ君の家にいた。
前回の花火大会では皆を怒らせちゃったから...今回こそはと思い早めに家を出ておいたのだ。
さとみくんの家に着く直前、後ろから声を掛けられる。
「...ころんくん、だったかしら」
「え?」
名前を呼ばれ振り返る。"ころん"なんて呼ぶのは同級生くらいなのに。
名前を呼んだ当の主はとても綺麗な大人の女性であった。
...少し、見覚えがある。
手繰り寄せる記憶。それでも誰だか思い出せない。
彼女は少し困ったように笑う。
............ん...?この笑顔、何処かで...。
「あ、えっと...どちら様、で......」
「あぁ、ごめんなさい。琉斗の母です」
「え!!?」
る、るぅとくんのお母さん!?
通りで苦笑した顔が誰かに似てるって思ったんだ。
でも前に見た時は外見とか整ってなかったし...
声もこんな優しくなかった...........
「この間はお恥ずかしい所をお見せしました...ごめんなさいね」
「いっいえ!全然大丈夫です!!」
「でも...オレンジ色の髪の男の子...ジェルくん?はかなり怖がっていたし......ごめんなさいと伝えてくれる?」
「は、はい!!!」
慣れない敬語と緊張で口が上手く回らない。
が、彼女は気にも止めず微笑んだ。
「ころんくん。......貴方琉斗の事好きなんでしょう?」
「へ...へぇぇぇぇ!?な、何を言ってる!?んですか!?」
「......分かるのよ。昔私の旦那も貴方と同じような感じだったし」
「は、はぁ...」
ブンブン振っていた手をピタリと止め、顔は真っ赤のまんまるぅとくんのお母さんの顔を見つめる。
「琉斗の事...幸せにしてあげて。私は何も出来なかったから」
「......!」
苦笑混じりに髪を触る彼女はやはり母親で。
るぅとくんと少しだけ重なった...気がした。
「あの子、お父さんに似て優しいけど...私にも似ててね。何でも抱え込んじゃうから...今も何かに悩んでるような様子だし」
だから、と僕の目を真っ直ぐ見つめ紡ぐ。
「貴方が...琉斗の支えになってあげてください」
「......はい!!」
そう会話した後、母親は自らの家へ戻っていく。
るぅとくんはさとみくんの家に泊まるから、今日は旦那さんと自分の2人分の調理材料を買ってきたらしい。
大切に、買い物袋とバッグを抱えていた。
...僕も、止めていた足を動かしさとみくんの家へと急いだのだった。
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らっきーすとぷりめんばー!
るぅとくん&ジェルくん
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鈴音 - はちみつ。さん» やば、一年越しに煽りコメ気づいちゃった......はちみつよりは変態じゃないわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!! (2022年10月1日 22時) (レス) id: cd92107318 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ。(プロフ) - ひゃぁっほおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!すずちゃあああああああああああん!!!!!!へーーーー、んったい!!!!!!! (2021年3月31日 15時) (レス) id: 332114d2f5 (このIDを非表示/違反報告)
ありす君 - 返信ありがとうございます! (2020年11月23日 12時) (レス) id: bfd8ad86d6 (このIDを非表示/違反報告)
鈴音(プロフ) - ありす君さん» 2度目のコメントありがとうございます!ななジェルは可愛い!ですよね、ころんくんはヤンデレで良いと私も思いまs(( (2020年11月23日 9時) (レス) id: 4c30bef867 (このIDを非表示/違反報告)
ありす君 - ななジェル可愛いすぎません?ころちゃんはヤンデレでいいと思いまs(( (2020年11月22日 21時) (レス) id: bfd8ad86d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鈴音 | 作成日時:2020年5月30日 11時