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Prolog ページ1

東京でも雪がちらつき始める12月下旬
私は部屋にコタツを設置し、全身を埋めていた

「小鳥ちゃーん、いつまで入ってんのー?」
『むり。出たくねぇ』
「昼飯食っちまうぞ」
『それは勘弁…』

家では義足を付けないため、コタツから出るとなれば冷たい床に手をついて移動しなければならない
この家に床暖なんてリッチなものはついてない
故にコタツから出ることは相当の覚悟が必要なのだ。
ただ、昼食抜きはさすがにきつい。ご飯は食べたい。

私はコタツから出るか否か悶々と考えていた


ゴトッ


玄関から何かが落ちるような音が聞こえる
郵便だろうか…

「小鳥遊、取ってくれ」
『…はーーい』

松田に言われ、私は渋々コタツから這い出た
手を床につきながら玄関にある郵便受けに向かう


『茶封筒……か。私宛?』

送り主の欄に目線を移す

『………けいし、ちょう……』


合否通知

脳が理解した瞬間、手先が震え出す
悴んでいるのか、緊張か

これを開けば…
「おい。何来てたんだ?」
『…!!っあぁ、びっくりした』
松田がいつの間にか後ろにいたようで、郵便受けに入っていた茶封筒を覗き込んでいた
「…合否通知か」
『……うん。』

松田と萩は1週間ほど前に合否通知が来ており、合格となっていた
残るは私だけなのだ

私は自室からハサミを持ってきて、茶封筒の上部を切り落とす

『……。』
「……。」

白い紙をゆっくりと抜き取る

“合格”

『……うそ…』
「まじか。」



毎年、倍率は10倍以上
正直受かるとは思っていなかった
もちろん受かる気で試験をしたが。

合格した。受かったのだ。

『…よ、良かった……よかった…!』
目の前にある合格通知をぐしゃぐしゃにならない程度に抱きしめる
松田は私の頭をガシガシと片手で撫でた





「うお、小鳥ちゃんどしたの。ちょっと泣いてない??」
キッチンに向かうや否や萩は私に駆け寄った
私はバッと合格通知を見せる
「…!」
『受かったよ!!って、ちょっ、!!』
萩は覆い被さるように私を抱きしめた
なんだか大型犬のように思える

「萩、小鳥遊」
「『?』」

松田がいつものように私たちを呼ぶ

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あまね(プロフ) - おわた (11月19日 1時) (レス) @page23 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
P(プロフ) - よもぎ杏さん» うぅ…ありがとうございます……。どうにかこうにか頑張ります(ง •̀_•́)ง (2022年12月22日 1時) (レス) id: ca61136145 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎ杏(プロフ) - 分かります......書いてあった小説消えると書く気が失せますよね。更新いつでも、ゆっくり待ちます。お体には気をつけて。 (2022年12月22日 0時) (レス) @page23 id: 3c2e0a45eb (このIDを非表示/違反報告)
P(プロフ) - ブラウンクリームさん» ありがとうございます^^読んでそう思っていただけるのはとても嬉しいです!景の旦那…いいですよね…!((( (2022年12月1日 8時) (レス) id: ca61136145 (このIDを非表示/違反報告)
ブラウンクリーム(プロフ) - 景光の旦那が尊すぎる……。(尊死 (2022年11月21日 22時) (レス) @page21 id: f8cbe4aca4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Pikurusu_946 | 作成日時:2022年7月22日 22時

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