【ハイキュー!!】ミモザとツツジの花園 [及川徹] [松川一静]

及｢11話だよっ｣ ページ13

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俺には妹がいる。

名前はA、可愛いでしょ？

俺はAが大好きだ。









恋愛的な意味で。



他の人に言うと、いくら及川さんでも引かれちゃうかな？

まあ妹のことが大好きなのは兄として当然だと思う。

でも、｢恋愛的に好き｣となると話が違う。

両親とか、姉ちゃんとか、まっつん達とか、

みんなに引かれるのは目に見えてるんだ。



…一度だけ、たった一度だけ


岩ちゃんに相談したことがある。

だいぶ前…たしか高校入ってすぐくらいだから

もう忘れちゃってるかもしれないけど。



どうしても1人で抱えきれる想いの量ではなかったから。


その時に岩ちゃんは

｢将来Aが幸せになる方を選べ｣

とたった一言。


それでも、俺の心を落ち着かせるには十分だった。

あのまま誰にも言わなければ、気持ちを伝えてしまいそうだったから。

超えてはいけない線を超えてしまいそうだったから。




それからの俺はAに気持ちを悟られぬよう必死だった。

まあ幸いAは鈍感な方ではある気がするからバレてない…と思う。

でも、俺も年頃の高校生。

抑えきれるわけがなかった。

手を出さぬよう彼女を作ってみたりしたけど、好きでもない相手なんだから続くはずがなかった。


だから、“家族としての愛情表現”と誤魔化して

Aにキスをした。

俺は元々こういうキャラだから、それを利用して。

Aには嫌がられなかった。それが俺にとっての幸せにだった。





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母｢ご飯よー！！｣

及｢っ！！俺も寝てた……A起きて、ご飯だって｣

『んん…わかった…』





だから


込められる限りの愛を込めて





寝ぼけたAにキスをする。






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ミモザ

花言葉 ｢秘密の恋｣

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