Once Again (ページ22)

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Green

｢阿部ちゃん俺さ、今回見つけられなかったら諦めるつもりだから。｣

佐久間にこう告げられた時本気？って言葉が喉まで出かけた。

だって佐久間の中で彼女の存在が大きいことを俺は充分承知しているつもりだったから。

何度も何度も記憶の中の彼女に佐久間は支えられて来たと思うんだ。

突然レッスンに来なくなった高３のあの日。

｢あべちゃん！｣って話しかけてくれる佐久間が居ないことに寂しさを感じて。

佐久間は事務所に入ってから1番最初にできた友達で、

そこそこ付き合いも長くなっていたし俺にとってなくてはならない存在になっていたんだ。

最初はやる気も無さそうで親に連れられてっていうのが見て取れたけど踊り出した瞬間楽しそうだし、

雰囲気がガラッと変わって引き寄せられる。

そんなやつだったけど本人は至って根暗というか目立つのが苦手そうな感じで。

なんだかアンバランスだな、なんて思っていた。

でもしばらくしたら日に日に笑顔が増えていって根暗とかそういうネガティブなことを感じることがまるっきりなくなった。

それを不思議に思った俺がその理由を聞いたことで初めて彼女の存在を知ることになるんだけどね。

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