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You
朝起きて一番、目覚まし代わりにリモコンを手探りで見つけてテレビを着ける。
私はお世辞にも寝起きが良いとは言えないんだけど今日はめずらしくぱっ、と目が覚めた。
なぜなら、テレビから先月デビューしたSnowManから佐久間大介さんですと聞こえたから。
すぐにベッド脇に置いてあったメガネを装着してその映像に目を向ける。
｢大介くん…。｣
そこには満面の笑みを浮かべてアクロバットを披露している彼がいた。
ちゃんと自分の輝ける場所で頑張ってるんだね。
そして相変わらずアニメオタクは現在みたい。
やっぱりあなたの笑顔には皆を笑顔にする力があるんだよ。
その証拠に、メンバーさんも番組の出演者の方々も楽しそうに笑ってる。
最近歳をとったせいか涙腺が弱すぎて…滲みかけた視界を慌てて拭った。
あれから約10年、大介くんは私のことなんてもう忘れてしまっているかな？
それでいい、それでいいんだよ。
後悔がないと言ったら嘘になるかもしれないけどあの時あなたに会ってしまっていたらきっと…。
あなたの夢の邪魔にだけはなりたくなかったから。
2人で笑いあった日々の中でなんとなく、本当になんとなくだけどきっと嫌々通っていたレッスンもいつかあなたの夢になる気がしていたんだ。
だってあなたの笑顔はいつも一人ぼっちだった私を救ってくれたから。
だから邪魔にだけはなりたくなくて黙って居なくなるっていう卑怯な手段を取ってしまった。
自意識過剰かもしれないけどたぶんあの時私たちは両想いだったから。
少なくとも私はあなたの事が好きだったよ。
だから何かが起こる前に離れることが正解だと思ったんだ。
そのせいなのかな、今でもなぜか忘れられないんだあなたの事が。
でもね、離れてもちゃんと見つけたよ大介くんのこと。
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作者名：桃原 | 作成日時：2020年5月25日 22時
