１０話 望side ページ10
…
｢なんであいつの名前が出てくるん？｣
単純に疑問に思ったことをぶつけてみた。
そんな俺に友人はえ？とも言いたげに驚き当たり前やんて雰囲気で俺にこう告げた。
｢いや、だってさ。
お前らって学生の時にはもう既に
独特の雰囲気あったやんか。
お互いのこと分かりあってます〜みたいな。
いつも一緒にいるわけやないのに
どこか信頼しあってるゆうかさ。
それでいて絶対付き合わへんかったから
不思議に思ってたんよね。｣
｢それ俺もやわ｡｣と声を上げる奴もおる。
｢そないな訳ないやん。｣
｢好き同士や〜、美男美女カップルの誕生や〜って
噂されるほどだったんやで？
からかわれてたんとちゃう？｣
｢それはあくまで噂やろ？
そんな事実ないし。｣
変な風に誤解されないよう適当にごまかす。
てっきり結婚でもしてるか思ってたわ〜って無責任なこと言うなや 笑
ほんまはそうなれたらってずっと思ってたけどさ。
それは俺の独りよがりの夢であって、
現実になることは決してない。
ずっと前から好きだった。
いつからなんてわからんくらい。
生まれた時からお前が隣にいるんは
俺にとって当たり前のことやったから。
だから今日俺は踏ん切りを付けるためにも
一か八かの大勝負に出る。
これでダメだったらしゃあない。
諦めるしかないと心に決めて。
そんな諦められる自信ははないけど。
だからこう言っちゃ失礼やけど
俺のメインはこれが終わった後なんよね。
もちろん新郎新婦を祝う気持ちはちゃんとあるで？
そのために3年と出ていた辞令を
めちゃくちゃ頑張って早く計画を進めて
2年で帰ってきたんや。
アメリカでは仕事以外には脇目も振らず
ガムシャラに働いた。
Aを迎えにいくと心に決めて。
もう俺もあいつも三十路手前。
こんなになるまで言えへん俺って
ヘタレ以外の何者でも無いけどさ
世界中の誰よりもお前を思ってきた自信あるで？
なぁ、A。
…
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作者名：美麗 | 作成日時：2017年12月16日 1時
