９話 望side ページ9
…
｢ええええええええ、お前彼女すら居ないん？｣
なんなん 笑？
そないな大きい声とオーバーリアクションでさ 笑
何人かこっち振り向いてたで？
クスクス笑われてる気するし。
あ〜、もう！
馬鹿にしてるん？
それとも…幸せの自慢したいんか？
どっちもってとこか。
そんな気するもん。
お前には居るもんな、婚約中の彼女がさ。
さっき自慢してるとこ見てもうたし。
｢せやから言うてるやん。
向こう行ってたからそんな暇無かってんて。｣
｢そうなん？
でもお前なら向こうでも
その気になれば相手見つかりそうやけどな笑｣
｢仕事が恋人でした♡｣
｢なんなん？それ？笑
ちゃんと可愛く言えてるとこがうざいわ〜 笑｣
あはは、笑と俺もみんなに合わせて笑う。
なんとかごまかせたみたいやな。
仕事が忙しかったのは本当やけど見つけるつもりなんて毛頭なかった。
そういう系のやつは誘われても全部断ってたし。
心の中にあいつがいたから…A。
俺がいない間どうしてた？
｢俺はてっきりあいつとくっついてるかと思ってた
わ。｣
周りにいた違うやつが声を上げた。
｢あいつって誰や？｣
｢山村や、山村A。｣
心臓がドキリ、と音をたてた。
なんでいきなりその名前が出てくんねん。
さっきからずっと頭の中にある存在。
心の中を覗かれているようで戸惑いを隠せない。
もしかして見た？俺の心ん中？
あまりにもタイムリーすぎるやろ。
んなことありえへんけどさ。
なんとか平常心を保つよう努力する。
ポーカーフェイス…ポーカーフェイス。
だってバレたらあかんもん。
すべてが台無しになってまうから。
…
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作者名：美麗 | 作成日時：2017年12月16日 1時
