５話 ページ5
…
あれ？
おかしい……。
おかしいどころかこれ誰にも言ったことないはずなんやけど。
そっと鍵をかけて胸の奥の方にしまってあったはず。
｢なんで私が好きなこと知ってるん？｣
佳｢あの時のあんたのこと見てりゃ分かるわ。
小瀧くんのこといつも目で追ってたしそれでいて
女の子連れて歩いてるたら悲しそうな顔しとった
し。
バレバレやったで、なぁ？｣
李｢そうやね、
気づいてない人の方が珍しかったんちゃう？｣
嘘やん、ないないないない。
きっとそれは私といつも一緒にいるあなた達だから分かったんやろ？
そうじゃなきゃ困る。
それ以外の人達が分かるくらいだったら私どんたけ隠すの下手なん？
まあ実際後で李帆の言うことがほんまだったってことが分かるんやけどね。
夏｢二人とも不器用すぎたんやろうな〜｡｣
夏樹から聞こえてきた言葉に｢うんうん｣ってほかの二人も頷いてるけど。
ん？
なに？
不器用すぎたって？
二人ともって表現も気になるし。
たくさん浮かんできた疑問を言葉にしようと思ったその瞬間聞こえてきた望たちの会話に遮られてしまった。
｢え〜、望まだ結婚してないん？｣
望｢おん、してないで。｣
｢俺はてっきり綺麗な奥さん捕まえて結婚してるもん
やと思っとたのに。｣
望｢何が言いたいん？
仕事でアメリカ行っとったからそんな暇も無かっ
たで(笑)｣
｢エリートかよっ(笑)｣
望｢どーもエリートです〜。｣
謙遜なんかしない、ムカつくくらいのドヤ顔。
｢相変わらずお前は調子のいい奴やな〜(笑)｣
そんなこと言われてるけど周りは笑いに包まれてる。
｢望くんかっこいいね｣って言われると間髪入れず当然だとばかりに｢やろ？｣って返してたあいつ。
それが嫌味にならなかったあいつの人柄と容姿はほんまにズルい。
それにボケもツッコミもできるポテンシャルの高さ｡
神様ってほんまに不平等やね。
望のこと言ってる場合ちゃうかったわ…。
何故か私をニヤニヤしながら見る3人を視界の端に捉えてしまった。
…
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作者名：美麗 | 作成日時：2017年12月16日 1時
