4話 ページ4
…
佳「じっと見てるけど、最近どうなの〜?」
ニヤニヤしてこっち見てこないでよ!
それに最近どうなのってなんやねん!
「どうもこうもないよ、
今日久しぶりに会ったんやから。」
うん、事実。
最後に会ったのは二年前やし。
あの時は顔見たくなったから来たなんて何の前触れも無く家に押しかけてきたんよ。
そして別れ際に俺のこと待っといてやって颯爽と家を出ていったっけ。
よく考えると意味わからん 笑
いやよく考えんくても、か。
それでいて後日アメリカ行ったのよ〜なんてお母さんから聞いてびっくりした。
おいおい、話の大事な部分抜けとるやないかいってな。
佳「でもあんた好きだったでしょ?
小瀧くんのこと。」
確かに好きやったよ、ずっと。
私たちは生まれてからずっと一緒に育ってきた自他ともに認める幼馴染。
しかも親同士も仲がいい折り紙付き。
大学は別々だったけどそれまで顔を合わせない日なんて無かった。
家もお隣さんやったし。
夕ご飯のおかず作りすぎたからおすそ分けなんてことは当たり前。
運動会のお弁当を食べるのはいつも小瀧家と一緒やった。
だからお前ら好きどうしやろ〜なんてからかわれるのは日常茶飯事。
そのころは必死に否定してたけど今となっては懐かしい思い出や。
想いを寄せてたのは事実やけどそれはただの片想い。
無意識に目で追っとった。
授業中うとうとしてる姿とか、体育のサッカーでゴール決めた姿とか。
気づけばいつも。
今になって考えるとどんだけ好きなん自分やけどそれを自覚したのはいつだったんやろう。
紛れもなく一方通行の結ばれることなんてない恋やった。
あいつはモテモテでいつも隣にかわいい女の子がおったし。
付き合えたらなんて淡い期待が芽生えたこともあったけどそんなこと叶うはずないってどこか諦めてた。
下手に告白してフラれたら幼馴染でいられなくなってしまうんじゃないかって怖かったし。
そもそもこんな私をあいつがそういう対象として見てくれてたのかすらあやしい。
だからこの気持ちは絶対に隠しておこうと決めたんや。
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作者名:美麗 | 作成日時:2017年12月16日 1時