２５話 ページ25
…
色々ありすぎて頭が追いつかない。
嫌われた、終わった…と思っていたのは勘違いで。
望が私のことを好きで、それがまさか中学からだなんて。
私が忘れていた告白現場を覚えてるし。
望｢何も言わんとびっくりしすぎや。
ただの俺の情けない話やで。｣
｢え？｣
情けないってなんでって聞こうとしたけど望が口を開きかけたからやめた。
望｢なんでこの日まで言えへんかったと思う？
もし告白してフラれてしまったらお前と幼馴染
でいられんくなると思って怖かってん。｣
瞬間的に同じだ、と思った。
あの頃の私たちには少しの勇気が足りなかったんだね。
小さなひと押しがあればなんか変わってたのかもしれない。
望｢はい、これで俺の話は終わりや。
お前の返事聞かせてくれへん？｣
返事？
突然の切り替えに戸惑う私。
早く、早く…と急かすように望が私を見るから焦りに拍車がかかる。
｢返事って言われてもな、
どうすればいいか自分でも混乱してんねん。
これが夢じゃなくて現実のことなのか信じられへん
し。｣
望｢あほか、現実や 笑｣
｢でもさあんたへの気持ちを伝えることは絶対にしな
いって決めててん。
だから忘れようって頑張ってたのに。
あんたと離れてようやく薄れた思ってもやっぱ比べ
てしまうんよ、望とここがちゃうって。
そうなったらその人とは無理ってなって、ダメにな
って。
ずっとその繰り返し。｣
望｢…｣
｢あんたに会ったら会ったで
さっきは、こっちに帰ってくるの教えてくれてもよ
かったやんとか。
なんで私より先に違う子と話してんのとか思うし｡
ぐちゃぐちゃやねん、頭ん中。
どうすればいいか教え…っん//｣
望｢そんなんもう答え出てんのと同じとちゃうの？｣
キスで私の言葉を遮った望が耳元でそう囁いた。
ゾクリ、と何かが背中を駆け巡った。
キス、された…。
それだけで既に私の頭はキャパオーバー。
思考停止どころか動作停止。
唯一頭を流れているのは望の｢もう答え出てんのと同じとちゃう？｣って言葉。
…
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作者名：美麗 | 作成日時：2017年12月16日 1時
