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21話 ページ21











「望同情で言ってんなら、っ。」









振り向きざまに望のあまりにも真剣な眼差しと交わってしまった。









それが私を捉えたままじっと離れないから押し黙るほかに選択肢は無かった。









そして絡まったままの視線が途切れさせたのは私から。









私がいたたまれなくなりさっきまで進んでいた先に視線を戻したから。









そういう意味で捉えろってこと…?









ねぇ、わかんないよ…?









ごちゃごちゃの頭の中で考える。








そんな私の思考を途切れさせるようにコツ、コツと不意に背後から聞こえた足音。









どんどん近づいてきてるのが分かる。








急に止まったかと思えば背後から大きな体に包まれた。









ちょうど耳の位置に望の口元がくるから吐息が吹きかかってくすぐったい。









私今望に抱きしめられてるんや…。









それだけでも今までの人生がひっくり返るくらいなのに驚くべきことはこれだけや無かった。









望「好きや。

お前のことがずっと好きやった。」









へ…?









私今望に告白された…?









耳元で囁かれた言葉は私の心臓をうるさいくらいの鼓動に変えるのには十分すぎた。









心臓は口から出そうなくらいやし、顔も熱い。









もう、なんやこれ。









さらに背中から伝わる望の鼓動。









それらが今起こっていることが夢じゃ無くて現実に起こっているんだということを証明してる。









ありえないと思っていたことが現実になったんや。









「嘘やろ…?」









混乱してる頭に反応するかのように絞り出た言葉。









やばい、聞こえてしまったかもしれないと思った時にはもう遅かった。








望「お前なぁ〜、

俺が一世一代の大勝負にでたっちゅうのに。

嘘なんてことあると思うか?」









望の呆れた声。









なんで考えてることが口から出ちゃうかな…。









無意識に出たとしても大きな後悔が襲ってくる。









でもな…30にも近づくとだんだん素直に受け入れられなくなるもんなんや。









嬉しいって舞い上がってからどん底に落とされるなんてことは想像したないほど臆病になっていくし。









もう傷つきたくないんよ…。









ふと素に帰ってみればあたりは私のせいで気まずい雰囲気になってしまっていた。









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作者名:美麗 | 作成日時:2017年12月16日 1時

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