１９話 ページ19
…
｢いいよ、1人で帰れるからみんなのとこ戻って。｣
望｢なんでそないなこと言うん？｣
｢なんでってそりゃ、
私のために皆と別れてきたんなら申し訳ないし、
私の家なんてすぐ近くやん。
望なら知ってるやろ？
送ってもらうほどじゃないねん。｣
自然とぶっきらぼうな言葉遣いになり再び足早に歩き出した私のペースに合わせ隣をついてくる望。
もういいねん。
寂しい私は早く家に帰ってやけ酒でもすんねんから。
望｢そういう訳にはいかへん。｣
やめてや。
これ以上優しくされたら…。
そう考えてしまえば拒絶を示す言葉なんでスラスラと出てきてしまう。
｢ここまで来てくれておおきに。
でもほっといてや。｣
グラグラし続けてる自分の心にも言い聞かせるように。
望｢どうせお前あれやろ。
自分だけ1人だ惨めな私なんて思ってんのやろ？｣
ふっ、と笑ったと思ったらこんな言葉を投げてきやがった。
ムカつく！！！！！
そういう訳にはいかへんとか言っといてなんやかっこいいって思った私がバカやった！
なんで面白そうなもん見つけたみたいな表情してるん？
ヒーローどころか最後に隠れて出てきた黒幕やん。
それに痛いとこ突いてくるし…望のバカ！
｢悪い？
30に近づくとな焦り始めるもんやねん。
望にはわからんやろうけどな！｣
気づけば人目も気にせず思いっきり怒鳴りつけてしまっていた。
別に望はからかう意味で言ったのだろうに。
これじゃただの八つ当たりやん。
やめときゃいいのに反射的に出てしまった。
私のバカ…やっちゃった。
望｢ごめん…。｣
しゅん、と小さくなり眉を下げて謝る望。
この表情させたくなかったのに。
後悔してももう遅い。
そういえば学生時代はこういう風になるとだいたい望が私の好きなアイスを買ってきてくれて仲直りしとったなぁ。
懐かしいなぁ。
今は…そういうことを思い出してる場合とちゃうやん自分しっかりしろ。
じゃあどうすればいいん？
どうすればいいかなんて…そうか。
…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 136人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：美麗 | 作成日時：2017年12月16日 1時
