2話 ページ2
…
「Aはめぼしい人でもおらんの〜?」
やっぱりそう来たか……めぼしい人て笑
そう聞いてきたのは同じテーブルになった佳奈。
いい具合にお酒も入ってきたのだろう。
陽気な雰囲気を纏っていて絡みモードに入ってしまった様子。
ちょっと厄介なことになってきた…。
長引くやつだ、これは…。
どうしても目がいってしまうのはワイングラスを持った手にキラキラ輝く指輪。
彼の給料1ヶ月分だ〜なんて嬉しそうに言ってたっけ。
中央部分にあるひときわ輝いてるあれはダイヤモンドだったりして。
もしそうだとしたらあんたの旦那様どんだけ収入あんのよ…。
もともと可愛かった佳奈は更に綺麗になった気するし羨ましいっていう言葉に尽きるわ。
新婚の幸せパワー恐るべし。
ここは4人がけだけど佳奈以外の二人にも約束された相手がちゃんといる。
夏樹はついこの間婚約したってさっき嬉しそうに話していたしもう一人の李帆はもう結婚五年目で子供も二人いるし……。
リア充め…私もちゃんとある意味は充実してるけどね笑
佳奈も夏樹も李帆も3人とも中学、高校の同級生。
ついでに言えば新婦の文香は高校の同級生。
周りに置いてけぼりにされてる感を感じずにはいられない状況。
ていうか置いてけぼりも何も言う前に実際その通りなんやけどさ。
目の前に突き付けられてしまうと…ねぇ。
辛いもんで。
うううううう、目の前の同級生たちがみんな敵に見えてきたぞ…。
それに目をつぶってしまえば一緒にいて楽しい大好きな友人たち。
学生生活が終わっても定期的に会える友達がいるってことも幸せな事やし。
助けてもらったことは数知れずだから感謝だってしてる。
どうやら3人とも携帯を構える素振りすらしないあたりケーキカットには興味がないらしい。
さっきの佳奈の発言で他の二人の関心も私に移ってしまったみたい。
そないな興味津々な目で私を見ないで…。
嫌な予感しかしないし、勘弁してくれや…。
…
136人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:美麗 | 作成日時:2017年12月16日 1時