推し事、辞めました。【紫】

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Aside





「なんか、最近、苦しい、」


弥生「えっ、なに、病気？」


「違う」


弥生「なんだ、ふっかか」






雑誌やテレビでふっかさんを見るたび、胸が苦しくなるような、そんな感じがする。



これが好きっていう気持ちっていうのは、今気づいたんだけどね。


一言でわかるなっちゃんもすごいけどね。





弥生「まぁ、それは恋なんですよ。あなたにはよくわからないと思いますが、恋なんです」


「うん」


弥生「ふっかのこと好きになってんだから告白しろっての」


「無理無理無理！絶対無理！」


弥生「なに？曲歌ってんのか？」


「違うよ！」


弥生「無理無理言ってないで、告白してこい！」





と突き放されたのが数時間前。



恋愛初心者の私に告白とかハードルが高すぎやしませんか。


でも何も考えずに好きとか言っちゃうのもアリかも。


私の頭は何も詰まってないからな。





辰哉「Aちゃん！」


「また、ですか」


辰哉「そんなこと言って、本当は会いたいくせに〜」


「…どうでしょう」


辰哉「お、今日は否定しないんだ」





あなたへの気持ちを自覚してしまったからね！



意外にも焦らずにいられるかも。

やっぱり私はバカだから。





辰哉「早く帰ろ！」


「急かさないでください、」


辰哉「早くお話したいから〜」





お話って…、かわいい。


なんで私の推しってこんなかわいいんだろ…。

いや、正確に言うと、好きな人、か。





辰哉「ちなみに、俺のこと好きになってくれた？」


「ふっかさん、全部急かしますね」


辰哉「早く好きになって欲しいから」


「……」





毎日来てくれているふっかさんの気持ちを考えたら、応えなきゃいけないなって思うんだけど。


なかなか想いを伝えるっていうのは難しい。





辰哉「いつでも待ってるよ！？今じゃなくても大丈夫だから！」


「今言ってもいいですか、」


辰哉「今！？心の準備がまだ…、」





当たって砕けてやる。

砕けることはないと思うけど。





「ふぅ…、す、」


辰哉「あぁっ！待って待って！まだちょっと…、」





勢いで言おうと思ったのに止めないでよ…。





「い、言いますよ？」





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