推し事、辞めました。【紫】

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Aside





「お疲れ様でした〜」





23時30分、バイトが終わり家に帰宅する。



やっと帰れる〜。

疲れた〜。


あ、今日水曜じゃん！

YouTube見ないと！



いろんなことを考えながら帰る支度をしたから忘れ物してそうだな、って思ったけど、してないことを信じて帰った。



家に着き、かばんから鍵を探す。


私の家はオートロック付きのマンション。


防犯面は大丈夫。

駅からはちょっと遠いけど。



すると、





「あれ？ない、」





鍵が見当たらない。





「やばくね！？」





鍵がないという現実。



うそ、ねぇ、どうしよ、ねぇ。


やっぱり何か忘れ物した気がしたんだよなぁ。

確認しとけばよかった…。


取りに帰る？

めんどくさいなぁ…、意外と遠いんだよ…。


なっちゃんの家行く？

でもこんな時間だし、駅遠いし…。


部屋まで行けたとしても部屋の鍵がないから入れない。


最悪…。



ひとりでロビーをウロウロしていると、





辰哉「Aちゃん？」





なぇぇっ！？ふっかさん！？

し！か！も！私の名前呼んだよ！？





辰哉「何してるの？こんなところで」


「いやっ、何もしてないですよ！？ふ、ふっかさんこそこんなところで何してるんですか！？」


辰哉「ここ俺ん家だから」


「えぇっ！？」





まさかのまさかで「ここ俺ん家だから」！？


いつもふっかさんと同じ空気を吸ってた！？

そんなことあっていいの！？





辰哉「で、どうしたの？」


「えっ、いや、なんでもないですよ」


辰哉「いや、絶対なんかあるでしょ」


「なっ、ないです、」





ふっかさんに言えることじゃない。


恥ずかしいし。





辰哉「言ってみな」





相手を落ち着かせるかのような言い方。


私はつい、





「か、鍵を忘れてしまって、」





うそ、言っちゃった…。

言わないつもりだったのに。





辰哉「え！大丈夫なの？」


「だ、いじょ、うぶ、です、」





大丈夫なわけないじゃん！！

なのになんで大丈夫とか言ってんの！？





辰哉「絶対大丈夫じゃないじゃん笑」


「いやーっ、大丈夫です！大丈夫、」


辰哉「一晩くらいなら泊めてあげれるけど」





…はいっ！？





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