君とあまい恋を。【紫】 (ページ33)

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Aside

文化祭の準備は順調に進んでいる。

私の担当は受付。

入り口のところにいて説明とかする係。

岩本くんと一緒なんだ。

今は仕事の最終確認の時間で、受付の場所でおしゃべりタイム。

「岩本くんはなんで受付が良かったの？」

役割を決めるとき、受付に真っ先に手を挙げた岩本くん。

なんとなく理由はわかるんだけど…、

照「おばけ苦手だから」

ドンピシャ！予想通りの回答。

「暗いところも苦手なの？」

照「おばけいるってなったら怖いかな」

いかつい顔してかわいいこと言うんだね！

これも女子にモテる理由なんだろうけど。

照「Aちゃんは？」

「私は苦手じゃないんだけど…、演技力がなくて…、」

おばけが怖いとかではなく、ただ演技力がなくて受付に回った。

あと人を怖がらせるとか罪悪感があって無理だし。

照「そっか。え、ふっかってなんだったけ？」

「深澤くんは確か…、フランケンじゃなかった？」

すると、

大介「うわーっ！！バケモノがさらにバケモノになってるー！」

と、叫びながら入ってきたのは佐久間くんと、

辰哉「誰がバケモノだよ」

かなりクオリティの高いメイクをした深澤くん。

照「うわっ！ビビった～」

大介「Aちゃん見てよ！バケモノだよ！」

「化け物…笑フランケンだよね？」

辰哉「そう！フランケンなのに！」

大介「フランケンもバケモノだよ！」

と、ギャーギャー言いながら帰って行った佐久間くんと深澤くん。

賑やかで何よりだな。

照「Aちゃんあんなの好きになっちゃっていいの？取り返しつかないよ」

「あんなのって…笑って、えぇ！？！？」

照「声でか笑」

い、岩本くんにまでバレちゃってる！？

照「大丈夫。ふっかは気づいてないし、周りも気づいてないと思うから」

気づいてる気づいてないの問題じゃなくて、私ってそんなにわかりやすい！？

照「うん、わかりやすい」

「例えばどういったところでしょうか…、」

照「顔が違うよね。ふっかと話してるときは幸せそうな顔してる」

「なんか恥ずかしい」

照「ふっかは気づいてないから、ね？」

「えっ？」

照「頑張りなよ」

岩本くんにまで応援されちゃった…。

これは頑張らないとだな。

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