君とあまい恋を。【紫】 (ページ15)

今日:6 hit、昨日:29 hit、合計:513,815 hit

15 ページ15

辰哉side

「あ、そーだ。明日お弁当作ってきてくれるの？」

本題はこれだ。

これを聞くために電話番号教えてもらったのだから。

『あ、うん…、』

恥ずかしがっているのか、曖昧な返事。

それもかわいいな、なんて思ってしまう。

「マジでうれしいんだけど。おれいっつもパンとかだからさ」

素直な気持ちを伝え、お礼をした。

「Aちゃん料理上手なの？」

『自分ではわかんないけど…、弁当は自分で作ってて…、』

「へぇ～、すごいね」

俺、料理とか全然できねぇから、料理ができる人は尊敬する。

『いやいや…、』

そーゆう、謙虚な気持ちも好きだなって思ったり。

…俺ってかなり重症？

すると、

『私の連絡先知りたかったってほんと？』

それ聞かれるとは思わなかった…。

早野に聞いたんだろうな。

「あぁ…、まぁ、うん、ほんと」

曖昧な返事になったけど、不審がられてないかな。

『そっか』

ちょっとした沈黙。

あ、そーだ。

俺は電話する前に考えておいたちょっと踏み込んだ提案…、いや、かなり踏み込んだ提案をした。

「Aちゃん、」

『は、はいっ』

急に名前呼んじゃってビックリさせちゃったかな？

「せっかくだからさ、明日一緒に食べようよ」

『えっ、』

そう、どうせならAちゃんと一緒に食べたいなと思って、昼休憩に一緒にお弁当を食べるという提案をした。

「嫌？」

『ううん、嫌じゃ、ない、』

返事が途切れ途切れになってるのもかわいいな。

「じゃあ、自販機の近くにしよ。あそこなら人少ないし、ゆっくり食べれるし」

別に人に見られたくないわけじゃない。

逆に見せつけたいぐらいだ。

だけど、誰かに邪魔されるのも嫌だから、人の少ないところを選んだ。

『わかった』

俺の言葉にAちゃんはそう言ってくれた。

話すことも全部話したし、そろそろかなと思い、

「じゃあ、明日ね」

と、俺が言うと、

『うん、ばいばい』

と、かわいい声で言ってくれた。

断られなくてよかった～。

てゆうか、なんであんなかわいいの？

かわいすぎんだけど。

待って、俺明日心臓持つかな？

ついつい、「かわいい」とか言っちゃいそうだな。

気を付けねぇと。

.