君とあまい恋を。【紫】 (ページ13)

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Aside

ー昼休憩ー

ついにきてしまった…。

1時間目から緊張してて、

2時間目にはもっと緊張してきて、

3時間目は落ち着いてきたかと思ったら、

4時間目は授業に集中できなくなるくらい緊張してきて…。

苦手な教科だったのに…！

今はどうしたらいいのかわからない状態。

1人で行ったほうがいいのか、それとも深澤くんを待ったほうがいいのか…。

悩んでいると、

辰哉「Aちゃん、」

「わっ、」

辰哉「ごめん、びっくりさせちゃった？」

「だ、大丈夫…！」

辰哉「じゃあ、行こっか」

深澤くんが少し前を歩き、私は深澤くんの少し後ろを歩く。

周りから変な目で見られてないかな…。

深澤くんは人気だから、私以外にも深澤くんのことを好きな子はいるはず。

だから、私が深澤くんの隣を歩いてもいいのか不安になる。

すると、

辰哉「Aちゃん、こっち」

「えっ、あっ、」

深澤くんに腕を引かれ、深澤くんの隣に。

辰哉「ん？」

「いやっ、なんでもない…、」

今もまだ腕は掴まれたまま。

深澤くんに触れられたところが熱い。

心臓はドキドキするばかりだ。

辰哉「ほら、ここ、すわりな」

「ありがとう」

自動販売機の前にあるベンチに2人で座る。

「…これ、」

深澤くんにランチパックに入った弁当を差し出す。

手が震えてる…、バレてないよね…。

辰哉「ありがと」

手元が軽くなり深澤くんのほうを見ると、ランチパックのチャックを開けていた。

辰哉「お、うまそ」

開けるの早くない？

辰哉「食べていい？」

「うん。お肉が多くなっちゃったんだけど…、」

辰哉「うまっ！」

私が言い終える前に深澤くんは「うまっ」っと言ってくれた。

料理を褒められるのがこんなに嬉しいなんて…。

「あ、ありがとう…」

辰哉「ほら、Aちゃんも食べなよ」

「うん！」

今日のお弁当は今までで一番美味しかったように思えた。

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