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…どこからともなく泣き声が聞こえてくる
その声の主はどこか、と辺りを見渡す
だだっ広い、どこまでも続きそうな庭の隅
高くて頑丈そうな塀に何故か人1人分の穴が空いているのを見つけた
どうやら声はこの先から聞こえているらしい
小さい体はいとも簡単に穴をくぐり抜けられ、また自分の家の庭ではない違った様子の庭がめいっぱいに広がる
と、足元に小さく蹲る何かがあった
屈んで顔を覗けば
『(…！、見つけた)』
感じたことの無い電流のようなものが身体中を駆け巡る
ずっと、ずっと探してた
そんな____俺の初めての『宝物』
・
玲王side
あれは…何歳の時だったかな
まぁ小さい時のこと
俺に初めて｢宝物｣ができた
______
物心ついた時から欲しいものはなんでも与えられる毎日
食べたいものを食べ、飲みたいものを飲む
逆らう人間なんていやしない、言うことは皆なんでもしてくれた
でも、そんな日々にはいつか飽きが来る
どんな玩具を買って貰ったって満足しなかった
周りもおだてるだけで、本心なんて分からない
そう幼いながらに気付いてしまった俺は途端に日常がつまらない、くだらないものと化した
そんな日常から逃げ出したくて、ある日こっそり1人で家の近くの公園へと向かった
ぼーっとしながらブランコに座っていると目の前に1人の少女が
小さな手で紫色の花を持っていて、こちらに気付いたかと思うと満面の笑みで笑いかけてくる
刹那、俺の胸は有り得ない程に高鳴った
…あぁ、この子が欲しい
初めて見るような、白く透明感のある肌に光が透けて輝いている髪
長い睫毛に縁取られ、ぱちりと大きく開かれた瞳
まさに「容姿端麗」とはこのことを言うのだと実感した
こちらに駆け寄り俺の手をとる少女
？｢おんなじね！｣
『、え？』
、...髪の色か
思わず赤くなってしまう頬を隠そうとするもこの子から目が離せない
少女は1つ、俺の頭に花を付けると同様に彼女の頭に付いている花を指さしてお揃い、と笑った
初めてだった
対等に笑ってくれる人間が、裏表なく笑ってくれる人間が
「(この子は俺の、宝物だ…！)」
・
そうは思っても、現実はそう上手くいかない
暫く話していた少女___Aはいきなり「もう行かなくちゃ」と行って去ってしまった
追いかけるも入り組んだ道で分からない
なんとしてでも手に入れたい…まだ名前しか知らないのにそう思ってしまうのは可笑しいのだろうか
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時雨(プロフ) - 一気に更新がきた時は！？となりましたけどそれよりも嬉しい！今回の話もとても面白くて優越感に浸れました！ありがとうございました！これからも無理ない程度に頑張ってください！ (4月2日 23時) (
レス) @page37 id: 6e53b1ff5b (このIDを非表示/違反報告)
なの(プロフ) - 更新だ〜！！！嬉しすぎる！何回読んでも飽きない！これからも無理しない程度に頑張ってください！ (11月25日 22時) (レス) @page29 id: 6e53b1ff5b (このIDを非表示/違反報告)
空 - 悪女主が好きなので、パピ子様の作品にはとても救われております...!!本当にありがとうございます!!!!これからも応援してます！ (10月27日 21時) (レス) id: 1049cb00ec (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり(プロフ) - 東リべや鬼滅など様々な作品見させてもらってます！悪女主ほんとにさいこーです！！🥹💗ほんとに設定が好みどストライクで愛してます大好きです！！これからも更新がんばってください！！ (9月24日 20時) (レス) @page25 id: cc94ae71d2 (このIDを非表示/違反報告)
らな - めちゃめちゃ面白いです！！！悪女の愛され大好きなのでついニヤニヤしながら見てしまいました…笑 他作品も見させていただいて…パピ子さんのファンになりました！！！更新頑張ってください！！陰ながら応援しています！ (8月15日 10時) (レス) id: e0fbbf9247 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パピ子
| 作成日時：2022年12月30日 14時
