教祖様の5人目の嫁

よんじゅう ページ41

高鳴る気持ちを抑えて手紙に目を通す


...うんうん、無事幼なじみに会えようだ


...同僚の男と？、、なんだかモヤモヤするなぁ


コロコロ変わる感情を胸に手紙を読み進めていく

















『...は？』


不意に出た声は自身でも出したことがないような低い、地を這うような声


原因は手紙に書かれた内容にあった


バキッ、と腕を置いていた机にヒビが入る


佳｢...？、教祖様？｣



『(...Aが、見知らぬ男に脅かされたのか？あのか弱いAが？俺の可愛いAが？)』


かろうじて手紙を破らないだけの理性を残しつつ、胸の鼓動が体全体に鳴り響く


Aは今も怖い思いをして夜を過ごしているのか

辛い人生を歩んできた子だ、人一倍怯えているに決まっている


心配で居ても立っても居られず、勢いよく立ち上がった


佳｢っ教祖様？どうしたのですか、どこへ行かれるおつもりです...？｣


ただ一心にAのもとへ


佳｢教祖様！今は私との時間です！｣


1秒でも早く


佳｢教祖様！！！｣




...あぁ、この女


喰ってしまおうか



・

佳純side


本棚を見つめながらじっと待っていると何やら居間の方から大きな音が聞こえてきた


何かあったのではないか、と心配になり急いで部屋に足を運ぶ


...と、どこか様子のおかしい教祖様が手紙を見つめて何やら呟いていた


『...教祖様？』


全然聞こえてないみたい



...っ！机が、


ただならぬ状況では無いと感じ、教祖様に近づくや否や勢いよく立ち上がる教祖様


、、、どこへ行くつもり？



『っ教祖様？どうしたのですか、どこへ行かれるおつもりです...？』


聞こえてない


『教祖様！今は私との時間です！』


引き止める為に裾を強く引く




『教祖様！！！』


と、ようやく顔を上げた教祖様から



感じたこともない冷たい目線を向けられた


『...ぇ』



















｢教祖様、失礼します｣

『っぁ、』



童｢......うん？どうしたんだい？｣



冷や汗が首筋を伝う感覚がした


先程の異様な雰囲気から一転、何も無かったかのように穏やかな笑みを浮かべている教祖様


...きっと、勘違いよね？



｢大きな物音が聞こえたので…｣


童｢あぁ！なんでもないよ、気にしないでくれ｣


全然大丈夫、と軽く手を振っている


うん


そうだ


きっと見間違いよ



ほっと胸を撫で下ろすと同時に、私は自分の耳を疑った

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