教祖様の5人目の嫁

さん ページ4

そして最近になって両親共々、名も知らぬ宗教にハマったらしい




なんでもお見合いを申し込んできたお偉いさんが家に来た時、その話を聞き軽い気持ちで行ってみたところまんまとハマってしまったそうだ




我が親ながらなんでそんなに頭が悪いのか不思議だわ



今日もまた、そこに行くみたいだけれど…いい話って何かしら




まぁ、私には関係ないか、と思い両親見送った




思えばこの時、家から逃げ出していれば良かったんだわ




まさに今日！今日の朝よ




いきなり早朝に起こされて｢お前の結婚相手が決まった！｣と嬉々として言われた




突然の事で？？？状態な私を急いで着飾らせ、馬車に乗り特に説明もされずにポイっ！と見たことも無い寺院のようなところに置いていかれた




そそくさと部屋へと案内されて現在に至る





『(これは流石に…怒っても良いわよね)』




幾分か冷静になり、苛立ちが募ってくる




何、じゃあ私は勝手にこんな胡散臭い宗教団体の教祖に嫁がされることになったの？




ほんとに最悪なんですけど




このまま逃げてしまおうか、もう家を出てみつりと一緒に過ごしたい




と意を決して立ち上がった瞬間、部屋の襖が開かれた




咄嗟になんでもないですよ風を装ってそちらを見る




居たのはさっき、部屋へと案内してくれた人達だった




｢失礼します｣





ん？なんで入ってきた？？？





ぞろぞろと人が入ってきて、よく見れば豪勢な着物や…化粧箱？を持っていた





その人達と顔を合わせると皆、息を飲むように私に見蕩れていた




ふん、その感性だけは認めてあげるわ





｢A様、この度は教祖様とのご婚約おめでとうございます｣



ｹｯ、何がおめでとうございますよ




そう思いつつ、顔は戸惑ったフリをする




｢つきまして今日は、他4名の婚約者様、並びに教祖様と顔合わせとなっております。1週間後に、式が行われますのでご理解を｣









…は？





え、






他4人のってどういうこと？





…まさか5人も娶るってこと？！





どんだけ色狂いなのよ！




最悪…これで教祖が気持ち悪いデブ男だったらもっと最悪…




きっと、ううん絶対気持ち悪い人だよ





だってこんなに胡散臭いんだよ？




…はぁ、無理そうだったら逃げ出しちゃおう




仮にかっこよくて素敵な方だったとしても私、女は嫌いだし…蹴落とせばいっか



とりあえず素敵な殿方であれ…と祈りながらされるがまま準備を進めていった

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