にじゅうに ページ23
佳「…なんなの、今まで言い返してもこなかったのに。とんだ猫被りね」
一「教祖様に嫌われている癖に」
動揺した嫁達は怪奇そうにこちらを見つめてくる
『良いじゃない、迷惑はかけてないわ』
さ、もうそろそろ時間よ
そう声をかけて姿勢を整えた
渋々4人も前を向き、部屋に入る体制になる
この場が初めて私達を見る機会になる信者もいるだろう
私のこの美しさにひれ伏すが良いわ
ゆっくり開かれる襖を最後に、5人足を踏み出した
・
『(……、)』
教祖様が教えを説き始めてそれだけ経っただろうか
体の傷がドクドクと痛み出し、あちこちで悲鳴をあげている
お陰で顔も真っ青だ
教祖様とは違い、私達は地面に(とは言っても伴侶なので座布団はあるが)座っているので負荷が直接かかってくる
教祖様が座っている所はお花やら高級そうな敷物で埋められており、さぞ居心地が良いのだろう
私もあそこで………って、その手があったじゃない
教祖様の隣にある空席…正しくは未来の正妻の座
まだ正妻は決まっていないから誰も座っていないけど…ねぇ?
この痛み、我慢は出来るけどそんなのしたくないわ
教祖様だって私が可哀想ならお願いを聞いてくれる筈
とりあえずはこの時間を乗りきろう
冷や汗をひとつ流し、青くなった顔を伏せ時間が過ぎるのを待ち続けた
・
……やっっっっっと終わった
今はあの退屈な時間を乗り切り、5人で別の部屋へと移動したところだ
教祖様を見ていられるから良いけど、話せも触れも出来ないんだから楽しくないわ
他の4人も流石にげんなりしている
と、そこで1つの足音が
これって…
教「やぁ、皆。調子はどうだい?」
小「!きょ『教祖様!!!』」
小百合が何か言っていたようだけど、それを遮り痛む足で教祖様の元へ駆け寄る
『教祖様!来てくれたんですね!』
手を取って、ぎゅっと握る
教「こらこら、そんなに走ったら転んでしまうよ」
そう言うものの笑いながら優しく頭を撫でてくれた
ねぇ、これで分かったんじゃない?
…私は嫌われてなんかいないわ
一「え、」
楓「…、っ?」
皆声に出さないものの言いたいことが手に取るように分かる
佳「きょ、そさま…何故こちらに?」
…あまり他の人と話して欲しくないんだけど
しょうがないよね
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:襟乃空ちゃん: - この小説は、私が夢小説というワードを知って、初めて読んだ小説なので更新してくれるのいっつも楽しみにしてます! (11月16日 0時) (レス) id: b670a6340b (このIDを非表示/違反報告)
:襟乃空ちゃん: - コメント失礼します!夢主ちゃんと私の性格が似てて、ヤバイです(語彙力皆無)童磨様ガチリアコ勢で、作中ずっっっっと心拍数ヤバイです((このような神作を作ってくださり誠にありがとうございます(血涙 (11月16日 0時) (レス) id: b670a6340b (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - コメント失礼します。主様の悪女主系のお話大好きです!言葉遣いや、行間、ストーリーの進め方など全てのバランスが良くて、とっても読みやすいです!!こんなに印象に残った作品と作者様は初めてっていうくらいです!続き楽しみにしてます!頑張ってください!! (8月30日 16時) (レス) id: d29c5267d6 (このIDを非表示/違反報告)
れーと - コメント失礼します。更新ありがとうございます!この小説大好きです!応援してます! (8月28日 12時) (レス) @page41 id: f8da97e70e (このIDを非表示/違反報告)
よぞら(プロフ) - 更新待ってましたあ〜!!めっちゃよかったです!次も楽しみにしてます〜 (8月28日 6時) (レス) @page41 id: b69074ea7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:パピ子 | 作成日時:2022年8月29日 23時