教祖様の5人目の嫁

じゅうきゅう ページ20

｢ここで合ってるかな？｣




え、




『きょう、そ...さま？』




鴉がバサリと飛び立つ音と共に愛しい人の声が聞こえる




童｢やっぱり合ってたね、開けても良いかい？｣




また後で、って本当だったんだ...！




嬉しくなって足が縺れかけるも急いで襖を開ける




言わずもがな立っていたのは教祖様だった




『教祖様っ、来てくれたんですね！』



きゅ、っと目を細めて笑えば頭を軽く撫でられる




童｢あぁ、約束しただろう？｣



中に入っても？と聞かれ、強く頷いてから手を引いた




『えへへ、本当に来てくれるなんて...嬉しいです、！』




私の目線より約1尺(30cm)くらい上にある教祖様の目を見つめてから腰に腕を回して抱きつく




ｱｯすっごい良い香り




私は決して変態ではない、と言い聞かせつつも欲望に抗えず胸板に顔を埋める




あー...一生ここで暮らしてたい...




自分の腰に回された腕に喜びつつも、ずっとこうしている訳にもいかずスっと離れる




あっ、と急いで座布団を出して教祖様を座らせた




童｢少しAちゃんに話したいことがあってね、｣



話したいこと？と首を傾げれば



童｢夜伽についてなんだけど｣



あぁ、夜伽ね




...うん、夜伽ね、




『ぁっ...それは信者の方から聞きました！夜伽、ですよね』




口を固く結び俯けば、髪を掬われる




童｢...俺は誰とも交合うつもりはないよ｣




その言葉を聞いてピシッと固まる体




そんな直接的に言う？！




...でも、驚く自分と共にほっとしている自分もいる




『そ、うなんですね...良かったぁ』




夜伽をする、と聞いてからずっと苦しかった





だって好きな人が他の女と同じ空間にいるだけで腸が煮えくり返りそうになるのに...たまったもんじゃないわ




童｢...うん、これだけは伝えておこうかと思ってね｣




教祖様はそう言うと私を抱きしめながら耳元でそっと囁いた




｢俺の心の中はAちゃんしか居ないよ｣





ｯｯｯｯｯｯ好き！！！！



ボッと赤くなる顔を見てケラケラ笑っている教祖様



そんな顔も好きだ()

・

しばらく話していてやっとこさ本題を思い出す



『そういえば明後日のお昼に幼馴染と会うんです！』



童｢あぁ、よく話に出てくる子かい？それは楽しみだね｣




『はい、それで...お泊まりってして良いですか？』



私の番の日には帰ってくるんですけど、と付け足せば考える動作をする教祖様



可愛いなおい(キレ気味)

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