捌 ページ11
『あぁ、酷いわ…そんなにやつれて、、』
するりと紫子の頬に手を添える
『これも、童磨に手を出したのが運の尽きね』
眉を下げながら笑えば、勢い良くその手が振り払われた
紫「っ、黙れ!あんなの教祖様じゃない!あんな、あんな優しい教祖様が…私に冷たい目線を向ける訳ない!!!」
お前がなにかしたんだ!と喚く
『静かにしてよ…現実を受け入れなきゃ』
そう言って紫子の口を塞いで、耳元でそっと呟いた
『でもそうねぇ…このままだと貴方、すぅっごく悲惨な目に合うわよ』
だって此処、お仕置部屋ですもの
そう言った瞬間、紫子の顔が真っ青に染まっていく
『その反応、心当たりがあるんじゃない?ここに送られた信者、以来1度も見てないでしょ?貴方も少しはおかしいと思っていた筈よ』
いくら盲目的でも違和感を感じるところはあるでしょうに
紫「ぁ、…わ、私はっ、」
ガタガタと震え、次第に床に涙が落とされる
『そこで、私があなたを助けてあげようかと思って♡』
涙を拭って顎に手を当てる
所謂、顎クイというものだ
紫「たす、ける…」
『えぇ、…私、この屋敷の抜け道を知っているの。そこから外へ行けば真っ直ぐに人里へ抜けられるわ』
どう?教えてあげるけど、と首を傾げれば顔をバッとあげて縋るように頷いた
紫「っお、おねがい!お願いします!」
…馬鹿ね
なんで私がそんな都合の良いこと教えると思うのかしら
こんな状況じゃ…無理も無いか
『分かった、よく聞いて_____…』
『…どう?』
紫「!、分かったわっ…本当にありがとう、私酷いことを…」
『良いの、謝らないで…ほら!早く行かないと見つかってしまうわ』
…そろそろ、日も落ちるし、、、ね?
紫「ありがとう、…ありがとう!」
そう言って走って外へ向かっていった紫子
『あーあ…』
可哀想に
・
自分の部屋に戻りながら紫子の安否を思う
なぁに、紫子へ伝えたことに嘘1つ含んでないわ
実際にこの屋敷から抜け出すのなんて簡単だもの
肝心なのはその後
こんなに暗い中、身一つの少女が深い森の中を駆け回っていたらどうなるかしら
ねぇ?
あんな女なんて、食べさせてもあげない
汚い鬼共に屈辱を感じながら死に腐ればいいの
、、、なんて思うのは、私が可笑しいからよね
自室に戻り、窓を開けて視界いっぱいに広がる森を見つめる
…どこかで鴉が飛び立った
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澪奈(プロフ) - 初めまして!いつも楽しく読ませてもらってます!更新ありがとうございます✨夢主の性格、大好きです♡これからも応援しています!! (12月30日 22時) (レス) @page12 id: b68527e9d8 (このIDを非表示/違反報告)
○○(プロフ) - 「終わり」になっているんですが作者様ァァ!?更新楽しみに待っております!!!! (12月30日 0時) (レス) id: a0eae6878f (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - あああすきいいい (2023年4月24日 23時) (レス) @page11 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 夢主の性格めっちゃ好きです!!更新待ってます✨ (2023年2月23日 0時) (レス) @page11 id: 47467afbf3 (このIDを非表示/違反報告)
ウーロン茶 - ブルーロックのパスワード教えて下さい! (2023年2月22日 16時) (レス) @page11 id: a38d2d112e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:パピ子 | 作成日時:2022年8月21日 21時