今日も私は愛されるの

肆拾肆 ページ45

教祖様は笑ったり泣いたりと傍から見れば感情ありありのように見える




だけどちゃんと見てみれば、それは貼り付けられたような、仮面のような顔をしていた




綺麗な顔してんなぁ





私は教祖様を真似て、話を聞きながら一緒に涙を流してみたり






いや、このスパンで流し続けるのは流石に…やっぱやめよ





流れた涙を拭ってもう一度、前を見据えた





・


最後の信者が帰っていく





疲れた…もうダメだ、





これが毎日続くのか、と考えると気が遠くなる





教祖様は一息ついたあとこちらを向き膝を叩いた





？座れってことかい





おずおずと腰を下ろせば目元に手を当てられる




『教祖s童｢どうま、じゃなかったっけ？｣…童磨？』





こわ





童｢さっき信者の話を聞いて泣いていただろう？Aは優しいんだね｣




ちょっと目が赤いよ、と言われて思い出す





違うんです、あれは童磨の真似しただけなんです





『童磨だって、……私の前では嘘つかないでね』





泣いていたじゃない、という言葉を飲み込んでそう言う





童磨は不思議そうな顔をして見つめてくる





やべ、イケメンすぎて震えてきた





童｢何言ってるんだい？嘘なんて『思ってないんでしょう？』…ぇ｣



『悲しい、とか楽しい、とか…別に無くてもいけないことじゃないから……ね、私が一緒に見つけてあげる』




ふふ、と笑って童磨の首に手を回した





『いーこ、いーこ』





抱きしめながら頭を撫でる






…何やってるんだろ私





鬼なんだぞ相手は、殺されないかな大丈夫そ？




我に返った私は手を離して顔色を伺う





童磨は私の腰に回してない方の手を胸に当てて首を傾げていた





童｢Aは…不思議な子だね｣




怒っては…ない感じ？






ほっと胸を撫で下ろす




童｢(なんだろう…この感じ、…まぁ考えることじゃないか。きっとAは頭が弱いんだなぁ、俺は君の敵である鬼だってのに…俺が見ていてあげないとすぐ死んでしまう)…俺の傍から離れてはいけないよ｣




恍惚とした笑みを浮かべる童磨は…イケメンだった(場違い)



・


湯浴の時間になり、私には信者とは違う個人用の風呂へと案内された





お湯に浸かりながら一日の疲れを癒す





…よくよく考えたら童磨は鬼なんだよなぁ





言えば人が食われているのを黙認するっていうこと








…こりゃあ柱失格だな

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