先生と私【3年A組】#4

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*Kaito Satomi side*


『!?
え、海斗くん!?
何かしちゃった?』

海『ちが……違うんだよ…』





俺が見たかった笑顔。
俺に向けてくれる笑顔が…ずっと見たかった。
こうしていれば…春瑚を傷つけることなかった…
景山を傷つけることなかった…




ぎゅぅっ……




ぶっきー、ごめん
今だけ許して…。
俺は目の前の春瑚を思いっきり抱き締めた。




『海斗くん?』

海『……ごめん…俺も泣くとは思ってなかった…
俺……ずっとさ……春瑚が俺に向けて笑ってほしいって思ってたからさ……
実際目の当たりにしたら……嬉しくてさ…』

『………そっか…
上手く笑えてたかな』

海『うん…すっげー可愛い』

『褒めても何も出てこないよ』




そう言いながら春瑚は俺の背中に手を回して
背中をポンポンと優しく叩く。
それが凄く心地よかった。




『……落ち着いた?』

海『ああ
……俺、後でぶっきーにマジで殺されるかも』

『まさか
………そんなことしないよ…
あー、でも悪戯はされるかも?』

海『ふっ……悪戯?』

『そうそう
地味な悪戯』




笑いながら楽しそうに話す春瑚。
抱き締めた腕を緩めて
春瑚の表情を見ようと覗き込む。




『?
どうかした?』

海『何でもない』

『何それ』

海『………じゃあ俺先に教室戻るから』

『……うん』

海『……ありがとうな、春瑚』

『……私もありがとう、海斗くん』






*






*






須『で?』

海『フラれたよ』

須『だろうな』

海『何嬉しそうなんだよ』

須『まぁ、一応ライバルは減ったからな笑』

海『うるせー
でも、友達になろうって…
俺の事も"海斗くん"って呼んでくれてさ』

須『………里見、ニヤケすぎ
気持ちわりーよ……なぁ、真壁』

○『うん、気持ち悪いよ里見
ヘラヘラしすぎ』

海『何だよ、そんな冷たい事言うなよ』

○『男子では名前で呼んでくれるの俺だけだったのに…』

須『うわ……真壁は真壁で嫉妬が…』

海『いいだろ、フラれてんだから
友達になって名前呼び合うくらいさ』

○『……まぁね』

須『………じゃあ次は俺か』

○『そんな立て続けに行ったら変じゃない?』

須『そーか?』




チラッと見ると、今は茅野、宇佐美、河合、魚住と春瑚で談笑していた。




須『………まぁ、邪魔するのはよくないな
でも一応隙見て今日中には決めるよ』

海『おー、決めてこい』




春瑚…
ずっと、笑っててな…。
その笑顔……本当に大好きだから…。

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