先生と私【3年A組】#3

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*Seishiro Tokai side*


柊一颯と別れ、学校を出ると
ポケットからスマホを取り出し
治験コーディネーターの木下へとかける。




征『………木下』

木『はい、何でしょう?』

征『柊一颯の通院している病院探せ
で、担当医の連絡先教えろ』

木『………その方って…妹さんの学校の?』

征『詮索するな
いいから、やるのか?やらないのか?』

木『………わかりました、やってみます』




はぁー………
死ぬ運命同士の…恋…ねぇ…。
俺は気に食わないけど…
春瑚の幸せが一番だ。
それは……アイツが家に来た時から変わらない。




征『………俺が両方助けてやるよ…』




電話を終えたスマホをポケットにしまい
暗くなった道を歩く。
この際佐伯正剛の事は後回しだ…。
そんなことを考えていると
病院の携帯が鳴る。




征『あぁ?』

高階『渡海先生、どこにいるんです!?
貴方の担当患者の武藤芳江さん、大動脈破裂でオペか必要な状態です!!』

征『その様子じゃ、あの玩具は使えないってか』

高『……っ』

征『10分で着く
死なせんなよ』




そう言ってタクシーを呼び止めようとした所に
目の前に車が止まった。
車の中には警察の五十嵐がいた。




征『なんすか』

五『急ぎなんだろ
送っていってやるよ』

征『………金浮くから失礼しまーす
あ、患者死ぬんで10分で行ってくださいよ』

五『飛ばすぞ』




普通に会話しているが…
なんであんな場所にこいつは現れたんだ?
もしかしてさっきの柊一颯との会話聞いていたか?




五『お前さん、気づいてんだろう
俺と柊一颯が共犯だって』

征『えぇ、まあ…』

五『ああ、俺はお前さんと柊一颯の密会の
監視役で近くにいたんだよ
他の警官、刑事に見つかったら全部台無しだからな…
お前さんの事は、柊からは何も聞いていない
共犯の立場なのか?』

征『まさか
何をしようとしてるかなんて知るわけがない
ただ、俺は春瑚の為に行動したまでです』

五『…………好きなのか?妹が』

征『馬鹿なんですか、アンタ
妹なんだから』

五『血は繋がってねーんだろ』

征『………妹は妹でしょ
それ以上でもそれ以下でもない』




そう言ってやると、車内は静寂に包まれ
病院に着くまでお互い一言も言葉を発さなかった。
車を降りて五十嵐に笑いかけてやる。



征『どーも、共犯者さん』

五『馬鹿、大きな声出すな!!』

征『………今に見ててくださいよ
警察が……崩壊しますから…』

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