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朝ご飯のパンと牛乳の入った段ボールを抱え
教室前まで行くと、
それに気付いた香帆が扉を開けてくれた。



香『起きたらいないからビックリしたよ…』

『ごめんね…おはよう、香帆』

香『お、おはよ…』

さ『春瑚ちゃん!!』

『さくら、おはよ』

さ『おはよう…じゃなくて!!
美術室に行ってたんだ…』

『……うん…
さくらがそんな顔しなくても…大丈夫…』



さくらにそう言ってやって
教卓に段ボールを置く。
中から牛乳3つと
ジャムパン3つを手に取ると
さくらと香帆の所に戻った。




『はい』

さ『ありがとう』

香『ありがとう…』

『廊下で食べよっか』

香『え…』

『魚住さん達の事…気にしてるんでしょ…?
今…居づらいのかな…って…』

香『……はぁ…』

『え?』

香『本当…春って私のこと甘やかしすぎだよ…
何か…私が今まで春にしてきたこと考えると…
優し過ぎる…』

『……はいはい、気にしない気にしない』



とさくらと香帆の背中を押して
教室から出る。
それでも香帆は浮かない顔をしているので
香帆の頬をみよーんと引っ張る。



香『んにゃ…にゃにふるの…(な…何するの)』

『おお…香帆のほっぺ柔らかいねー
……私がこんな顔してると
おにいがすぐこうやってほっぺ引っ張るんだ…
『アホ面すんな』って…意地悪言うの…
……もういいからさ…
そんな顔しないでよ…香帆…』

香『っ……わかった…
本当に…ごめん……ありがとう…』



涙ぐむ香帆の頭を撫でてあげる。
その横でさくらも優しく笑っていて…
何だか…今まで想像できなかった空間がそこにはあった。




『ほら、先生来ちゃう前に
パン食べちゃお?』

さ『そうだね』

香『うんっ』




廊下に3人で並んで座ってパンを食べていると
さくらが夜中に下から声が聞こえてきたと話し出した。




さ『下の階から声が聞こえたの』

『…そう?』

さ『あれは多分、里見くん達の…』

香『だから、夢だって』




多分、あのハッチの下から話し声聞こえたんだろう…
…待って…下の声がここに聞こえているのだとしたら
朝の先生とのやり取り…中尾くんや里見くん達に聞こえていたんじゃないだろうか…。




香『どうしたの、春
何か顔赤くない?』

さ『ま、まさか熱上がった!?』

『ち、違う…大丈夫大丈夫…何でもないから…』



熱が集まる顔をパタパタと手で仰ぐと
2人共不思議そうな顔をしていた。
そりゃそうだよなぁ…と苦笑いしていると
こっちに逢沢くんが来た。

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櫻宮みゆ(プロフ) - 海さん» お、重いですよね、自分でも思います笑 幸せな気持ちになれるよう、最後まで頑張りますので引き続きよろしくお願いします。 (2019年4月3日 22時) (レス) id: 84bf1856eb (このIDを非表示/違反報告)
- 春ちゃんの過去が重すぎて、でもだからこそ柊一颯との関係がなりたってると思ったら……ただ、これから、春ちゃんはどうなるんだろうとドキドキハラハラして見てます。いつも楽しみにしてます。お体に気をつけて更新頑張ってください。ずっと応援してます。 (2019年4月3日 0時) (レス) id: be3baba71f (このIDを非表示/違反報告)
- 柊先生との関係にドキドキしながら読んでます。 (2019年3月28日 11時) (レス) id: ed5c94d402 (このIDを非表示/違反報告)
- 応援してます。更新頑張って下さい!楽しみです! (2019年3月26日 18時) (レス) id: be3baba71f (このIDを非表示/違反報告)
三波碧です。(プロフ) - この作品大好きです!更新頑張ってください! (2019年3月24日 23時) (レス) id: 84994bf844 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:櫻宮みゆ | 作成日時:2019年3月23日 6時

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