先生と私【3年A組】#2

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香『………』

さ『知りたいの!
私は澪奈の思いに答えてあげる事ができなかった
だから誰が何であんな動画を撮ったのか澪奈が何に苦しんでいたのか
それを知りたいの』

香『知ってどうなるの?』

さ『分からない
でも澪奈が居なくなってから
私はしかばね同然で
あっ…それこそ、カウント2.8でも起き上がれないレスラーと同じ』




ん?
何の話?
……………ああ、そう言えば澪奈…
『さくらって例え話が全部プロレスで意味わからないんだよ!!もうおかしくてさー…』
って、よく1人で笑ってたような…




香『その例え、全然分かんない』

『右に同じく』




香帆はトイレの個室に入り扉を閉めようとしたけど




それをさくらが




さ『あ…』




……………止めた




『………さくら?』

さ『澪奈の思いを知ってようやく前に進める気がするの
お願い、私達に協力して』

『…………』




ちゃんとさくらの仲間に入ってる……私…。
なんか嬉しい…。





香『漏れそうなんだけど』

『うん、さくら…そろそろ入れてあげよう…』

さ『ご、ごめん…』




さくらが謝ると
ようやく香帆はトイレに入って扉を閉めた。
すると中から香帆が……




香『あんたの方が知ってるんじゃない?』

さ『えっ?』

香『全国大会見に行ったんでしょ?
水泳部以外にうちの生徒は居なかったの?』

さ『あ…』




さくらは何かを思い出したみたい。
私もあの会場にいた。
さくらや皆には会わないようにしてたし
あの時会ったのは澪奈だけだし…。


さくらとトイレを出ると
さくらが考えているのを
私は横で見つめているしかできなかった。




さ『…逢沢くんと…真壁くんが近くにいて…
多分なんだけど……里見くんがいた気がする…』

『じゃあ……逢沢くんに確かめてみよ?
あ、香帆……ちょっと…』

香『何?』

さ『えっとね……あっ!!逢沢くん…』




ちょうどトイレから出てきた香帆を捕まえて
こちらもトイレからでてきた逢沢くんを
さくらは捕まえてこちらに連れてきた。




さ『全国大会会場に、逢沢くんもいたよね』

逢『…もしかして疑われてる?』

さ『あぁあぁ、違う
逢沢くんは澪奈のことで映画製作も中止になっちゃったし、寧ろ被害者でしょ
私が聞きたいのは、他の男子のこと
里見くんも、いたよね』

逢『…あぁ、没収されたカメラに映ってるかも』

香『里見が?なんで』



やっぱり、里見くん居た…
見間違いじゃなかった…
これは…私も会場にいたこと言うべきだよなぁ…

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