先生と私【3年A組】#2

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〜*回想*〜
1年春



香『ねえ、渡海さんって笑えないの?』

『えっ……』

｢いっつも無表情で冷たい顔して
クールとでも言いたいのかって感じ笑｣

『………いや……これが普通だから…』


ﾊﾞｼｯ!!


香『普通?どこが?
叩かれて表情変わらない奴のどこが普通なの』




そこからいじめというものがエスカレートしていく。
机の落書き、教科書とか上履きだっていつもイタズラされてたし。
でもそんなのは小学生の時から慣れてる。
そんな時1人の女の子が話しかけてくれた。
その子は如月硝華ちゃん。
おっとりしてて、優しくて可愛い女の子で
学級委員とかを率先してやるような子。
その子が私を助ける行動をとった。
傷の手当をしてくれて、机の落書きを消してくれて…




硝『春瑚ちゃんは何もしてないよ!!
それに、無表情なんかじゃない!!』

『………』

硝『私にはわかるよ…
春瑚ちゃんが喜んでるのか、怒ってるのか、悲しんでるのか…ちゃんと分かる
ちゃんと表情が少しずつ違うもん』

『………ありがとう…』




そう言ってくれるクラスの子は初めてで
無くしたくないって…そう思った。
でも……私を庇う度にどんどん硝華にまでいじめが酷くなっていって……私はそれを止めようとするのに必死になって…






2年春頃


硝『………春瑚ちゃん』

『硝華……私が守るから……
助けてくれた硝華は…私にとって光だった…
だから……』

硝『もう………疲れちゃった…』

『っ………ご……ごめん…私が……』

硝『………春瑚ちゃんと知り合う前に…戻りたいな…』




それから硝華は不登校になって
そのまま転校をしてしまった。




｢助けてくれる仲間もいなくなったね〜｣

『………』

唯『何とか言ったらどうなの?
お人形ちゃん?』

『………』

｢ﾁｯ…何とか言えよ!!｣

『………そっちが…硝華のデマ流した時
私はちゃんとアンタ達に言ったよ
真実を伝えた…でも信じなかった…みんなで信じなかった
ってことは……私が何を言ったところで
みんなはどうでもいいってことでしょ
それなのに何を言えっていうの』




それから私は自分の意見を言うのをやめた。




幼稚園の頃……母親だった人に『笑うな』『泣くな』と言われた時のように…




無になろうとした。




それから翔と会うのもやめた。
写真を撮られて拡散し始めてたから
自分から切り捨てた。
澪奈もそうするつもりだった。
でも澪奈だけは……離れていかなかった。
何があっても……隣にいてくれた。

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