先生と私【3年A組】#2

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*Ken Sunaga side*

〜*回想*〜


2年秋


須『写生とかだりぃ…』

｢提出しなきゃ美術の単位貰えねーぞ
ただでさえお前美術の授業サボること多いんだしよ〜｣

須『はぁー……
テキトーなとこでテキトーに描いてくるわ』

｢はいはい｣




キャンパスを手に校内を歩き回り
歩き回り……歩き回り……
だぁーーーもう!!
簡単に描けそーなもん何もねぇ!!!!!
結局、みんながいるであろう屋上へと向かうと
そこは以外にも人がいない。
…………理由は屋上に出て察した。
渡海春瑚がいたからか…。
渡海は黙々と絵を描いていて、
俺が来たことには全く気づいていないようだ。
静かに近づくと、そこには屋上から見える景色がそのままキャンパスに広がっていて
思わず……




須『うわ、すっげぇ…』




なんて声出しちまって。
すると渡海はこっちを向いて
またすぐさま目線はキャンパスを向いた。




須『渡海』

『………何ですか』

須『お前って凄いんだな』

『………』

須『あれ?褒めてんだけどー』

『…………ありがとう…ございます』




渡海は2年で同じクラスになって
1年の時からいじめられてる奴っていう認識程度。
2年になってからも諏訪辺りがまぁ凄まじいいじめを繰り返していた。
別に俺は加担してはいないが
渡海に関わろうとはしてこなかった。




『…………私を見てても絵はできませんよ』

須『え…………あぁ……
と、隣で描いててもいいか?』

『………別に構いません』




それから2時間くらいそこで黙々と2人で
絵を描き続けていた。
放送で終了の声が耳に入ると
渡海はすぐさま片付けをし始めた。




須『あ、待って渡海!!』

『………何ですか』

須『写真撮ってもいいか?
お前の絵…』

『…………SNSとかに上げないって約束してくれるなら』

須『!!
サンキュー!!』




細かく描かれた街並みが写真みたいに見えて
色合いも……全部がすげぇって思えた。




『…………ふふっ』

須『え………』




は?
今渡海……笑った?




『須永くんの絵……すっごい個性的だ』

須『っ………お前のと比べられれば当たり前だろ!?』

『………ふふっ……』

須『何だよ………笑えんじゃん』

『…………』 

須『その方がいいよ、渡海』

『……そう』




ただの一目惚れ。
渡海の絵と…渡海の笑顔に…。
でもそれから渡海は俺が話し掛けようとすると
俺を避け……話しかける事が出来ても…
笑顔を見ることはあれから1度もなかった。

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