先生と私【3年A組】#2

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*Ken Sunaga side*


甲『いいか?
アイツの弱点は渡海だ…
だから、須永
お前は、俺がアイツから爆弾の起爆装置を奪い取るまで渡海を捕まえとけ』

須『…りょーかい』




責任重大じゃねーかよ…
はぁー…と1つため息をつく。




甲『なんだよ…
不満そうな顔だな』

須『………別に…
さっさとやるぞ』




諏訪にぶっきーがトイレにいることを確認し
甲斐と石倉と共に中に入ると
俺達に気づいた渡海がぶっきーの服の裾を握るのが目に入った。




『っ!!せ、先生っ………きゃっ!?』




ぶっきーから引き離すようにして
渡海の身体を引き寄せて腕の中に閉じ込める。
だけど渡海は逃げ出そうと暴れる。
つーか……今にも折れそうなくらい細いんだけど…


ｶﾞﾝｯ!!


ぶっきーの頭に鉄パイプが当たり
血が流れ落ちてきていた。
それを見た渡海がついに泣きだしてしまった。
そんなに……ぶっきーが大事なのかよ…




『!!
やっ………やだ………離してよ!!!!』

甲『これで終わりだ!!』

『須永くんっっ!!!』

須『っ………』




急に渡海が俺の方に振り向き
泣きながら俺の名前を叫んだ。
その顔を見た瞬間…何でこんな顔させてるんだって思っちまって……
腕の力を抜いてしまっていた。
そうしたらもう…渡海は一目散に逃げ出して…
ぶっきーの所に行っちまって……




須『ぁ……しまった……』

石『待て、甲斐!!!』

甲『おらぁっ!!!!』

『一颯先生!!』




渡海はぶっきーを守るように覆いかぶさり…


ｶﾞﾝｯ!!


振り下ろされた鉄パイプは
渡海の右肩に当たっていた。
渡海は苦しそうに呻き、震えていた。




柊『っ………くそ…
お前らわかってんだろうな!!!』




怒りの目をしたぶっきーを俺も甲斐も石倉も止めることなんか出来なくて、モノの数秒で撃沈…
ぶっきーは渡海の手を引いて出ていこうとしていて…
俺は握られていない逆の右手を思わず掴んでしまった。





柊『はぁ……はぁ……
春、来い…』

『っ………うん……………っ!?』

須『行くな……渡海…』

『え…………ぁ……』

柊『春…』

『っ………ごめん……須永くん…』




振りほどかれた右手を見つめながら俺は
そのまま頭を抱えて座り込んだ。




甲『何で捕まえてなかった!!』

須『………悪い…
ただ……俺アイツにあんな顔させたいんじゃないんだよ…』

石『はぁ!?』

須『離せばぶっきー守ろうとするし
平気で怪我しようとする…
でも……俺渡海の泣き顔だけは見たくないっつーか…』

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