先生と私の夢物語【3年A組】

入学式 ページ2

『んぇ?
来るの、おにい』




今日は入学式。
来ると思ってなかったおにいが
どう考えても入学式に来る格好じゃないよな
という程のラフな格好をしてらっしゃる。




征『あ?
小学校の卒業式と中学の入学式卒業式は
出てやっただろーが』

『……そーだけど…その格好?』

征『スーツとか無理』

『………まぁ、いいや…
ありがとう、おにい』

征『…………あ…待て』

『ん?』




家を出ようとした時に呼び止められて
振り返ると、おにいの顔が近くにあって驚いた。




『っえ?な、なに……』

征『動くな、大人しくしてろ』




首におにいの腕が回り
少しすると離れていく。
首に違和感があって
見てみるとネックレスがついていた。
2種類の宝石がついていて…
何でこれを…。




征『………それは俺からの入学祝い
ムーンストーンとアレキサンドライト
お前の誕生石』

『っ………おにい、ありがとう
大事にする』




ヤバい……すごい嬉しい…。
口元が緩んでると頬をつままれてしまった。




『んっ……にゃによ…』

征『アホ面するな』

『してないっ!!』

征『お前、腕時計つけるの右手?左手?』

『んー?いつもつけてないからなー
んー…右手かな?』

征『右手出せ』

『えー……この時計は?』

征『……これは母ちゃんからの入学祝い』

『!!
電話するっ!!』




右手はおにいが腕時計つけてくれてるので
左手で操作してお母さんに電話をする。





春江『もしもし?』

『お母さんっ!!腕時計ありがとう!!
すっごく可愛いっ!!』

春『気に入ってくれた?』

『うん!!大事にする!!
長い休みになったらまたそっちに帰るから!!』

春『わかったわ
征司郎のことよろしくね?』

『ふふっ、了解
じゃあ、いってくるね』

春『うん、いってらっしゃい』




電話を切ると、付けてもらった時計とネックレスを交互に眺める。





よし……頑張ろう…





これでおにいとお母さんがずっと側にいてくれる気がする…







3年間……乗り切るんだ。

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