第46話 繋がる糸 ページ46
またウトウトしかけたAが、何かを思い出したのか、また顔を上げた。
「そういえばダヴィンチは、死ぬまでモナリザを手元に置いて加筆し続けたそうです」
「カヒツ？」
「筆を入れるってことです」
「あぁ…」
「そういうところも、チャンミンさんとダヴィンチは同じですね」
「ん？ どういうこと？」
「筆を入れ続けたのは、思い入れがあるのはもちろんですけど、少しでもいい絵にしたかったからだと思うんです。
チャンミンさんも、筋トレをしたり日本語の勉強したりギターの練習してるでしょ。
歌だってすごく上手いのにボイストレーニングも欠かさなくて…
それって、少しでもいい東方神起・チャンミンをファンに見てもらいたいからじゃないんですか？」
「・・・」
「きっとチャンミンさんもダヴィンチのように、東方神起・チャンミンに加筆し続けると思います(微笑)」
「・・・」
「でも・・・」
「？」
「生涯手元に置いたからこそ、あのモナリザが生まれたのはいいけど、注文したのに納品されなかったフランチェスコは、ちょっとかわいそうですよね(笑)」
そういうとAは満足したかのように、すぐに眠りについた。
ダヴィンチがそれほどモナリザに入れ込んだ本当の理由はわからないけど、ダヴィンチにとってリザは生涯繋がっていたいほど理想的なモデルで、でもそんなリザの帰るところはフランチェスコのところで…
ダヴィンチとリザとモナリザが繋がっている糸をたどれば、それはフランチェスコに繋がるんじゃないか…
俺がダヴィンチでありリザでありモナリザでもあるなら、そんな俺の中にある糸はどれをたどっても、きっとAに繋がるんだ…
穏やかなAの寝顔を見て、俺はそう思った…
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作者名：Miyu | 作成日時：2020年9月24日 11時
