第43話 休めない仕事 ページ43
医学の進歩は、目覚ましい…
新型ウィルスの薬やワクチンが予想より早くでき、海外渡航が自由になった。
俺もまた、日韓を行き来する活動に戻ることができた。
「ねぇ、オッパ♪」
「ん〜、何？」
俺は、ツアーのリハーサルで日本に行くために、着替えをスーツケースに詰めていた。
「来週の土曜日、お友達をここに呼んでもいい？」
「あぁ、いいよ」
俺は手を止めずに答えた。
「それでね、みんなオッパにも会いたいって言うの。
その日は午後からお仕事休んで♪」
服をたたんでいた俺の手が、ピタッと止まった。
「ソミン…(溜息) 俺のスケジュールは渡してあるだろう」
「ん〜、オッパのスケジュールはわかってるけど…
みんなの予定が合う日が、この日なんだもん」
「ソミン… 俺の仕事はよっぽどのことがない限り急には休めないって、結婚する前から言ってるだろ」
「わかってるけど… でも、お友達の旦那さまは予定を合わせてお休みを取ったりするって…
日本でのお仕事も、本番じゃなくてリハーサルなんでしょ？
ちょっと帰ってくるってダメなの？」
「本番のためのリハーサルなんだ。
手を抜くわけにはいかない」
「・・・」
「ソミンの友達には悪いけど、俺抜きで楽しんで」
「わかりました… オッパ、この穴埋めは必ずしてね、約束よ♪」
「あぁ…、約束するよ…」
俺の仕事を理解してくれてるとは思ってるけど、新型ウィルスで活動が韓国に限られていたせいか、ソミンは俺の仕事を帰りが遅くなることがあるサラリーマンと思っているところがある。
また今度ゆっくり話さないとな…
---バタン---
俺は荷物を詰め終わったスーツケースを閉じた…
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作者名：Miyu | 作成日時：2020年9月24日 11時
